レンリツ方程式 | ナノ





「合同合宿?」
『可能?』
「まぁ、やったことはあるから不可能ではねぇが」


開口一番、私は跡部景吾に合同合宿の提案をした。


「だが、何のためにだ」
『昨日の話になるんだけど』


そして私は昨日漫研の女子から他校への注意も必要だということを聞いたという話をした。どうせ追い出すのならば徹底的に。今後の高校テニス界のことも考えあの女の入る隙を無くすべきだと提案した。


「それで昨年のベスト4である4校を交えた合同合宿でやつの化けの皮を剥がすってことか。おもしれーじゃねぇの」
『納得していただけたようでよかった』
「だが、他の学校のやつらが敵に回る確率も捨てきれねぇよな」
『それなんだけど、なんかコイツなら宝華梨々の虜にはならないだろう、みたいな目星つかない?』


私がそういえば真剣に悩みだした跡部さん。

実際問題どれだけに人数が敵に回ろうがそんなもの関係ないわけだが。私は決定的な証拠を出来るだけ手に入れるために動き回るだけのなのだから。


「そうだな……立海の幸村と仁王と柳、青学の手塚と不二と乾あたりは大丈夫だろ」
『各校3人ずつくらい、か』
「四天宝寺はよくわからねぇ」
『あ、四天宝寺は大丈夫』
「は?」
『知り合いがいるから、手回しできる』
「四天宝寺に知り合い?誰だ」
『当日までの秘密、ということで』
「チッ」


拗ねたように顔を背ける跡部さん。そんな仕草でさえも様になる彼は本当に神に愛されているようだ。


『いつなら出来そうですか?』
「いつでも大丈夫だろ。むしろいつがいい?」
『そうですね、来週にでも』
「わかった。大船に乗ったつもりでいろ!」
『はいはい』


高らかにそう宣言した跡部さんに私は苦笑いを返すしかなかった。


そして私は生徒会室からテニスコートを見下ろす。そこには楽しそうに談笑する1人の少女と数人の青年。


楽しいかい?楽しいだろうね?せいぜい楽しむといいよ。もうすぐそこが地獄に変わるのだからね。



姫は駒と化した



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