レンリツ方程式 | ナノ






――prrrrrr


『もしもし?』
「も、もしもし、ひひ、蛭魔、未久さん、だよね?」
『これはこれは校長先生。どうか、なさったんですか?』
「おかしい、おかしいんだ……どうか、どうか力をお借りしたいッ!泥門のためにッ」
『……では明日、一度お話を伺いに参ります。場所は氷帝で』





『だから、何度も言ってるのに。私は、無神論者だって』
「でも、俺の名を呼んだ」
『しょうがないでしょ!私でも、なにが、なんだかッ』
「泣きたかったら、泣いてもいいんだぜ?」
『黙れよ死神の分際でっ!力、貸してくれるんでしょ?』
「未久のためならね」
『で?』
「これは確かに、人外だな」





「アタシは!この物語の!ヒロイン!なの!」
『違う!この世界にはこの世界に生きる人がいる!物語もヒロインもない!』
「あんたに言われたくないわよこの異端者!」
『異端者でも、かまわない。私はお前を消す』
「できるものならやってみなさい!見ての通り、みぃんな!アタシの味方だけど!」
『私は、ひとりじゃないって、そう、学んだから』





「あーあ、もう。相変わらず強がりなんだから」
『強がりじゃっ』
「それのどこが強がりじゃないんだよ」
『ッ』
「顔に出てる。それだけ切羽詰まってるんでしょ?」
『私は……』






『ばいばい』





ベクトル方程式




今度の舞台は、アメフト。

想いの強さは方向は、そのどれもが、規格外。





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