『てーづか!』 「ナマエ……こんな時間にどうした。いくら家が近いからといってこんな時間に来なくともいいだろう」 『頭固いよ、手塚。今日が何の日かはもうわかりきってるでしょ」 「俺の、誕生日だが」 『家族からも友達からも、部活の仲間からも盛大な祝福を受けてたものね』 「まぁな」 『嬉しそうだね』 「嬉しい……そうだな。素直に嬉しいと思う」 『どんなプレゼントもらったの?』 「あぁ。母さんからはブックカバーをな。父さんは万年筆をくれた」 『へぇー!』 「部員からは新しいグリップテープをもらった。俺がいつも使っているのを調べて買ったらしい」 『乾くんとか、そういうの知ってそうだしね』 「あぁ」 『幸せもんじゃん?』 「あぁ、そうだな。で?お前はどうしたんだ」 『今の流れでわかるでしょ。誕生日、祝いに来たの』 「それはそうだろうが、もう誕生日終わるが?」 『いやね、誕生日になった0時に祝うのってありきたりかなーって思って。なら、一番に祝うんじゃなくて最後に祝った人になればいいんだーって思って』 「は?」 『何事も最後の方が印象に残ってるでしょ?』 「……」 『手塚ってみんなに好かれてるから、たくさんの人に祝われると思って。私、そのたくさんに埋もれたくなかった。だから、今来たの』 「ナマエ……」 『迷惑、だったかな』 「いや……ありがとう。すごく嬉しい」 『手塚……』 「俺は、口がうまくないし、表情も、知っての通りだから伝わるかどうかわからないが、本当に、嬉しいんだ」 『うん、伝わる。大丈夫』 「ありがとう、ナマエ」 『うん。お誕生日おめでとう、手塚。生まれてきてくれてありがとうね』 ――――――――― 手塚部長はっぴーばーすでぃ! 大好きですよぉー! next |