「ふぅ……」
将軍という位を頂きながらも、大きな魔術を扱えばそれなりに疲労感が体を襲う。
私は額を伝った汗を、手の甲で拭った。
「ギギ様」
「どうでしたか」
伝令役が今の魔術でのネクロス側の被害状況を伝えにやってくる。
「素晴らしい魔術ではあったのですが、発動前に気がつかれたようで……あまり敵勢力は削がれていない模様です」
「そうですか……いい軍師でもいるのでしょうか?一度お会いしてみたいものです」
「ギギ様!!」
するとまたひとり、伝令役が走ってやってくる。
「どうしました?」
「ネクロスの将軍が弓兵を率い、こちらに向かってまいります!」
確か今回のネクロスの将軍は不死者と噂されているアルケイン将軍。彼は魔剣士として有名だ。それでも率いてやってくるのは弓兵。となれば、
「きっと、その中にいるのでしょう。私の魔術に気づいた方が」
「いかがなさいますか……?」
「……迎え撃ちます。準備を」
「「はっ!」」
私の言葉にすぐさま反応し、兵たちは準備を開始する。
私自身も、持っている魔具にゆっくりと魔力を込め始めた。
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