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メールで呼び出されて、僕は今の彼女の教室に来てた。僕以外誰もいない教室。外はもうオレンジで、もう数十分もすれば藍色になるんだろう。



「ごめんねぇ総司っ!呼び出したのにアタシのほうが遅れちゃって」
「ううん、別に。で、何?」
「そ、その!アタシ、ちょっと心配で……総司ってモテるし人気だし」
「うん。で?」
「幼馴染の子いるじゃない?あの子と関わらないで欲しいなって。ね?」
「……」



あ、この子もやっぱり同じ。別に期待してたわけじゃない。というよりもまず遥意外に僕は興味がないからね。

それでもやっぱりって思った。

僕の自由を奪うくせに、僕のことなんて上辺しか見ていない。僕のことを装飾品の一つとしか思ってない。そんなやつら。そしてこいつらは遥のことをそんな装飾品のサビかなにかだと思っているんだ。ほんと、許せないよね。

本当に僕のことを理解してくれてるのは遥だけ。


あー、最短記録かもしれない。



「もう無理。別れよっか」
「……え?い、いまなんて?」
「聞こえなかったの?別れよって言ったんだけど?」
「な、なんで!?」
「普通に考えてわかるでしょ?」
「あ、もしかして総司、束縛とか嫌い、だった?」
「好きな人のだったらいいけどね、別に好きでもない人間から束縛されてもね」
「好きじゃ、ない?」
「当たり前でしょ」
「さ、最低っ!」
「いくらでもどうぞ。知ってるから」
「総司がそんなやつだったなんてっ」



もう言われ慣れたその台詞。



「アイツもアイツでアタシに楯突いて……ほんと、意味わかんないしムカつくっ」
「……アイツ?」
「そう!アンタの幼馴染!」
「何か言ったの?」
「総司に関わるなっていったのよ!なのに総司までほんと信じらんない!じゃあね!」



ほんと、許せないよね。自分が正しいみたいな考え方とかさ。

散々遥を傷つけておいて、さ。



「遥」



ようやく、勇気が出せそうだよ。





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