囚われの心身
走った。
走って、走って、走って、走って、走って、
気付いたら、私の住むマンションの前だった。
『こんなとこまで制服で走ったんだ……』
入学式後なため服装は制服。泥門高校からこの私の住むマンションまでは約3キロ。いつの間にか、3キロの道のりを制服で走り抜けたらしい。
「あら悠里ちゃん、お帰りなさい。どうしたの?凄く疲れた顔してるけど……」
マンションにエントランスに入ればそこにはマンションの管理人さんが。とても優しいおばさんで今も私に心配そうに声をかけてくれている。
『管理人さん……、入学式での代表の言葉、緊張しちゃって、』
「あら、そうだったの。お疲れ様」
『いえ、それじゃ』
「うん、何かあったら遠慮なく言ってね」
『ありがとうございます』
私はエレベーターのボタンを押して、エレベーターを呼ぶ。
入学式での代表の言葉で緊張したから疲れたなんて、そんなわけない。
あの先輩、なんであんな……。
干渉なんてされたくない。
干渉してこないで。
私に、関わならないで。
私は、
ピンポーン!
『!!…エレベーターか』
エレベーターの到着音に思わず肩を震わす。私は急いでエレベーターに乗り込み、14のボタンを押す。エレベーターはどの階にも停まることなく14階へと到着した。
私は部屋の鍵を開けていく。
『ただいま』
静まり返った部屋。広すぎる部屋に私はひとりだ。
リビングにあるソファーにカバンを投げ捨て、制服もそのままに寝室のベッドへと倒れ込んだ。
『アメフト……か』
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