トウメイナセカイ | ナノ

今の力


場所は変わって学校内にあるトレーニングルーム。


「糞碧眼!ベンチプレスのやり方くらい知ってんだろうな?」
『…当たり前じゃないですか。常識ですよ』
「よし、じゃあとりあえず糞チビ使って説明すっか」


今更トレーニングの仕方の説明が必要なのかどうかわからないけれど、言われたからにはするしかないのだろう。


「おら、糞碧眼。説明しろ」
『わかりました。……じゃあ、セナ。台の上に手も足もハの字になるように寝て。それから、バーを持つときはバランスよく持つ。じゃないと傾いて危険だから。手を一個分くらいのところを持つとベストかも。まぁ、人によって違うけど』
「じゃあ最初は軽い重りから」
「合計20キログラムからでいくか」


10kgのバーに5kgの重りを取り付けていく。


『いいよセナ』
「うぐ!ブガギゴゴ……」


持ち上げようと力むセナ。多少持ち上げるが、結局力負けして首元に落ちてくる重り。


「キャー!セナが、セナが!」
『あ……よいしょっと』


まさかとは思ったけれど20kgも持ち上がらないとは。
私は急いでバーを上にあげた。


『大丈夫?』
「な、なんとか…」
『じゃあ…バーだけ?』
「こ、これならなんとか…」
「い、一応バーだけでも10sあるからね…」
「そんなに重いの?私もちょっと持ってみていい?」
「え?まもり姉ちゃんじゃ危ないよ」
『いや、20sは……。じゃあ姉崎先輩さっきと同じ20sからでいいですか?』
「えぇ」
『どうぞ』
「んっ…!」
「おー!!」
「女でもこのくらいはあがるだろ」


結局、
セナ 10s
姉崎先輩 20s
ヒル魔さん 75s
栗田さん 160s だった。


「…糞碧眼。テメーも持ってみやがれ」
『…必要性を感じないのでいいです』
「やれ」
『…なぜ?』
「トレセンに通うんだろ?ってことはこれくらいできて当然だ。おれはお前の実力を見てみたい」
『……選手じゃないのに』
「いいだろ、そんなこと」
「じゃ、じゃあ20sからで…」
『いえ』
「え?」
『…50s乗せてください』
「「えぇ!!」」
「……」
「悠里ちゃん…それは無茶なんじゃ…」
『姉崎先輩…心配なさらずに』
「…乗せろ糞デブ」
「で、でも」
「少なくともこいつは20sは持てる」
「え?」
「さっき糞チビを助けるとき20sを片手で持ちやがった」
「あ…!」
『…早くお願いします』
「じゃあ…はい、どうぞ」
『…ふっ!!』
「す、すごい…」
「まだまだいけそうだな」
『無茶言わないでください』
「ケケケケケ」



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