トウメイナセカイ | ナノ

摩訶不思議




「ったく、あいつも面倒くせぇ女だな」


糞碧眼が帰ってから、そう俺は呟いた。

碧路悠里。

あれからあいつについてわかった事は少ない。
……調べないのが約束だったが、そんなもの関係ねぇ。

分かっている事といえば、氏名と生年月日や容姿と健康状態。泥門高校へは一般入試で入学。トップで入学。
特に得意な科目は数学、情報。
特に苦手な科目は英語(writing)、家庭科。

中学不明(私立である可能性が高い)。
だが、中学の成績は家庭科以外オール5。家庭科は2

運動神経抜群、成績優秀。また、都内の中学生(学校代表ではない)選抜陸上大会で、幅跳び、100m走に出場。幅跳び3位、100m走5位入賞。

……なのに何故、泥門なんかに入った?


俺が最初目をつけた理由は、単に成績優秀だったから。使えると、直感でそう思っただけだ。

でも、今はどうだ?

現に今俺は、部活を辞めようとしたあいつを止めた。
まだ、入部して1週間。あいつのことはあれくらいしかわからないのに。
まだ、マネージャーとしての働きだって、すべてを見たわけじゃねぇのに。
……たしかにあいつのまとめたデータは綺麗で、見やすくて、補足までされてあった。
まだ、その程度だけだ。

その程度しか知らねぇ奴を、置いときてぇと思った。今から姉崎っていう労働力を新たに入れるにも関わらず、だ。


あの得体のしれないおかしなに興味を持ったってのか?


いや、おかしいのは、


あいつじゃなく、


………俺、かもしんねぇな。





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