トウメイナセカイ | ナノ

格闘技的球技



アメフトのルールとは。


アメフトは格闘技に近い球技である。
選手は防具をつけ、ヘルメットを着用する。
アメフトは攻守がはっきりと別れている。
攻守共に相手の出方を伺いフォーメーションを組み、攻撃側の合図と共に激しい攻防戦が繰り広げられる。
オフェンスは1ヤードでも前に、ディフェンスは1ヤードでも後ろに行くようにぶつかり合う、いわば、陣取り合戦。
それを1試合4クォーターで行う。


デビルバッツの攻撃は、
ヒル魔さんの鋭いパスがフィールド内のディフェンスのあいだをくぐり抜けて炸裂する。すごくいいパス。なのに他が素人のために得点にはつながらない。それでもヒル魔さんはすごい。


『……すごい……』
「え?悠里なんか言った?」
『え?あ、いや、なんでもない』


また私はいつの間にか口に出していたようだ。


パギャ!


「クッソ…早く帰りやがれ!」
「?」


ヒル魔さんは怒りと共にドリンクの入ったケースを潰した。


「みえんだろアレ」
「あ!桜庭くんだ!」
「桜庭ぁ?あんなんどうでもいいんだよ!隣だ隣!」
『進清十郎……』


観客に紛れているのは強豪王城ホワイトナイツの桜庭と進だった。


「そうだ、ホワイトナイツの進。高校最速にして最強のラインバッカー。ヤツは強すぎる、人間じゃねぇ」
「う、うん……去年の練習試合で身に染みてるよ」
「ラインバッカー??」
『ディフェンスのポジションで、走りもパスも両方止める守備の要のこと』
「奴だけには隠し玉見せたくねーんだよ。対策練られちまうからな。進が帰ったらすぐ出すぞ」
「…な……なんか、とても勝手な計画が聞こえるのですが…」
『セナ、ドンマイだな……』


しかしこの試合、このままでは攻めあぐねて無得点で終わってしまう。ヘタをすれば相手が得点してしまうかもしれない。
明らかに不利なのはこちらだ。



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