(2/2)
爽以外いないと思うが一応聞く。
「装置を作ったのは僕ですけど実際に召喚魔法使ったのは瑠依君ですよ。まぁ、僕の手にかかればこの程度造作もないですよ。」
魔法認めるのかよ!
バックに花が舞っていそうなほど見事な笑顔―というかドヤ顔。
殴り倒したい衝動に駆られたが、今は止めておこう。
「簡単に作れるのなら、簡単に倒せるんだよね?爽クン?」
爽やかな見た目に真っ黒オーラ&笑顔。会長様は今日も絶好調だ。
「何か言ったかい?悠。」
「……。いえ、何も。」
まさかの読心術!?っていうか俺の人権は……
「ないよ。」
ですよねー。なんで俺の周りにはこんな奴らばかりなんだ。
「運命です。諦めて下さい。」
そんな悟ったような目で俺を見るな。っていうか爽まで読心術使えるのかよ。
「どうでもいいけど、後始末してよね。」
「………え?」
会長の発言にキョトンとする爽。
「『………え?』じゃなくて、さっさと後始末しろよ駄眼鏡。」
「は、はいっ!!今すぐやりますっ……悠君が。」
「俺かよっ!!普通元凶がやるもんだろ!」
「僕は技術専門で非戦闘員です。はい、これ対魔物用の剣です。僕と瑠依君も援護しますので。」
そう言って渡されたのはどっかで見たことがある剣。
「どっちでもいいから早くアレ処理しろよ。」
会長がキレそうだ。
「それじゃ、健闘を祈ってますよ。」
「………………。」
ちくしょう、なんで俺がこいつらの尻拭いしなきゃならないんだよ。
しかし悪態をついていても仕方がない。
俺は得体の知れない怪物の元へ向かいながら、全ての始まりを思い返していた―……。
← →