01 『遊ぼうよ』 今日もまた受信ボックスに意味の分からないメールが入っていた。 またか。私はげんなりしてそのメールを削除した。 アドレス拒否してもすぐに違うアドレスから送られてくるし、自分のアドレスを変えても何故かそれは私のもとに届く。 初めに受け取ったのは2ヶ月前。ただのイタズラだと思い、削除して無視をした。 しかし、それは3日おきに送られてくるようになり、二日おき、一日おきと次第に間隔が短くなった。 土曜日。生憎の雨で、空は私の心を映しているかのようにどんよりと厚い雲に覆われている。折角の休日だというのに何もする気になれない。その理由はただ一つ。昨日から一時間おきに送られてくるようになった例のメールだ。着信音が耳障りでマナーモードにしても何故かそのメールだけは音がなる。 ―まるで、その存在を主張しているかのように。 授業中に送られてこないことだけは不幸中の幸い、と言ったところだろうか。 私は溜息を付いてベッドに倒れ込んだ。するとと携帯の着信音が鳴った。 嫌な予感がした。 受信ボックスを見ると例のメールがあった。さっきの受信から五分と経っていない。また、短くなったのだ。もう削除をする気にもなれず、そのまま無視。携帯を放り、枕に顔を埋める、と再び着信音が鳴った。先の受信から一分も経っていないはずだ。 ゾワッと背筋に悪寒が走り、冷や汗が頬を伝う。 それから急速に受信の間隔は短くなり、ついには間を開けずに着信音、着信音、着信音―………。 ←back |