(助けて)
助けて、この闇は居心地がいいけど、寂しい。
(助けて)
(誰か、助けて…)
絡み付く闇に飲まれる体。
沈みゆく重い体。
このまま、闇に飲まれてしまえば楽なのかもしれない。
「佐助」
(あ、)
世界が光を灯した。
「許さぬぞ佐助」
「だ、んな…」
「俺を置いて逝く事は許さぬ」
「お、れ…」
「生きよ、佐助」
伸ばした手を強く握られた。
その温かさに、その力強さに、涙が溢れた。
「あんた、を一人に、しないから」
「当たり前だ」
「生きてるから、安心して」
そうだ。生きるも死ぬもこの人と共に。
だから、
(まだ、そっちには逝けない)
紅蓮の焔はまだ燃え続けているから。
「あぁ、眩しいね」
開いた瞼で見た世界は光で眩しく輝いていた。
再生を司る焔
08.0930
風花