叫んだのだった。
「…じゃないよ…」
あんな場所で叫んで、誰が聞いてるかもわからないのに!
頭から湯気がでるくらい、わたしの顔が熱くなった。
気づかないって怖い。
「…認められた、のかな…」
ばれた時より、鉢屋くんの目は優しかった。
けれど、認めてくれたわけにはならないだろう。
信じて、くれたみたいでは、あったけれど………。
「(……、学園長先生たちに謝りに行かないと)」
鉢屋くんの言う、3人の姿、顔とはどんなふうだったのだろう。
長い間一緒にいた彼に初めて、と言わせるほど……必死に?
「(だとしたら、うれしい)」
自然と緩む頬を隠すことをしなかった。
足元も、見ていなかった。
――突然地面が抜けて、からだが一瞬だけ浮いた。
景色が縦に動いたかと思うと、茶色の景色が目に飛び込んできた。
どすん、と鈍い音と共に痛みが腰や背中に走る。
これは、まさに、
「……綾部くん…」
ここは学園の校庭だ。
罠があってもおかしくない。
それにわたしは、綾部くんを手伝って穴埋めしていたじゃないか。
穴があることは絶対にわかっているはずなのに。
「…そういえば、お礼…」
神崎くんと綾部くんにお礼言わないと。
忘れるところだった。
あの場所から2人は保健室まで連れて行ってくれたのだ。
大変だっただろう。
「……、…」
なんだか、静かで心地いい。
さわさわと揺れる葉の音や、本当に小さな下級生の声。
目を瞑ったら寝てしまいそうだ。
「……いいや…」
この高さは、わたしじゃ登れない。
誰か来るまで、ちょっとだけ仮眠をとろう。
泣きすぎて目も疲れている。
今ならすぐに寝られそうだ。
ゆっくりとまぶたを閉じる。
まどろみが、きもちいい、
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