黒々とした色の大きな目が、すっと細められる。オレンジにも見える明るい茶髪が、動くたびに揺れた。素敵です。つい口走ってしまった言葉に、彼が頬をうっすらと染めあ「……ありがと」

ふん、と照れ隠しでそっぽを向いた松野くんがだんだんと俯いていく。その顔は、やっぱり赤くて。松野くんはとことん私のツボを知り尽くしてい「…ほんと、じっくり見るね」

はい!だって松野くんがそう言ったんですもん。じっくり見せてあげるって言いましたよね、私、じっくり見させていただきます!…実はというと、顔だけじゃなく、松野くんの素敵な体のほうも見たい。けれどそれは口にしないでおこ「こんなに見られるなんて、思ってなかったよ」

松野くんの性格に似合わずその純情なところが私は好きだ。角度的に今、松野くんの顔は見えないけれど、きっと赤くそれは赤くなっているのだろう。ああ、考えただけで身悶え「ねえ、見られるのって僕だけじゃないよね」

…えっと、どういう意味ですか?見られるの…って、たしかに今、見られているのは松野くんだけですけど、見てるの私ですし。松野くんがにいっと口角を引き上げる。先ほどまでのかわいい松野くんの面影はな「まさか、タダで見せてると思ったの?」

がっと松野くんの手が肩に乗る。…い、いまいち理解できない。タダ?ええ、有料ってことですか?あの、今私あんまりお金なく「ここはベタにキスとかだよね」

無理です!駄目です!松野くん!その綺麗な唇を私なんかの唇と重ねるなんて、いけません。うわ、ちょ、やめ「あーん」



敬語部分は主人公の台詞になってます。

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