空腹には2種類あるんだけど、俺は常に2つ目の空腹に襲われているんだ。



空腹はお腹が空いているの意味1つだけだよなあ、と思いながらも
そう言って微笑むリンクのために、トアルカボチャでスープを作ったのだ。

なのに、リンクはちょっと不機嫌な顔をして。


私、作り方間違ったかな?
リンクは嗅覚がすごく良いから、湯気の匂いで分かったんだろう。

ごめんね、と言ってカボチャスープの盛られた皿を戻そう手を伸ばす。

けれど、その手はリンクの大きい手に包まれてしまった。

静かにリンクを見上げる。


「それは食べるよ。…ただ、違うんだ」

「…もっと煮込んだほうがよかった?」


ふりふり、とリンクが首を振る。

俯き加減だった顔がゆっくりあがり、真一文字に結ばれた唇が微笑を作った。


重なった手が、私の手を撫でる。


その手に気を取られてしまい、リンクの顔が近づいたことに気づけなくて。




「っ……リン、ク」





沈黙の意味と視線と





「俺がさっき言った空腹はさ、…こういう意味なんだよ」



唇が離れ、リンクから情欲の含んだ吐息が零れた。



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title::あめり


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