※現代パロディ


電車内での痴漢ってもの凄く怖いものだと思う。
特に混み合った満員電車内ならば。
誰かもわからない手が体を這う感触…想像しただけでも恐ろしい。

だから、…だから。
目の前で痴漢に遭っていた女の子を助けたのだ。
隣にいる金吾に頼むとかそういう考えはなくて、早く助けてあげないとの一心でその男の人の手を掴み「怖がっているだろこのカス!痴漢野郎!」と叫んでやったのだ。
そしたら、「ちっちげえよ!こいつがやれって…おい見つかっちまったぞ!?」「あんたが痴漢下手くそなのよ!がっついて!」「ハ、ハァ!?」なんとまあカップルのプレイだったのだ。
え、えーっ?て感じである。
電車内に私に対する助けたのにかわいそう、という雰囲気が流れ始めた。
プレイとは知らなかったけど、実際痴漢だとしたら助けたのに…なんだかカップルからは睨まれるしみんなの注目の的だし最悪。

泣きたくなる気持ちで金吾の手を握れば金吾は優しく握り返してくれた。
金吾はそっと私の耳に唇を寄せる。
小さな声で呟いた。


「名前が痴漢に遭ったら俺もあんな風に守ってあげるよ。…遭わせないけど」




ある意味被害者が出ますの
往来でプレイするのは止めましょう


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テーマ「人外ファンタジー」
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