クラスに一人はいる一番頭のいい生徒。彼は今黒板にびっちり数字式を書きつめている。チョークの文字が重なり合って何書いてあるかわからない。理解不能だなあ、と呟いたら隣からそうだなと返事が返ってきた。「勘右衛門くん」「あそこまで書かれると、地の黒板見えないね」改めて黒板を見て、たしかにと頷く。…あれ?黒板が見えないってことは、文字は見えるの?そう訊ねると、勘右衛門くんはにこっと笑った。ノートに書いてあげようか?…す、すごい。