つい先日から、わたしは斉藤タカ丸というにんたまとお付き合いを始めた。
一世一代の告白に、タカ丸はへにゃっと顔を崩し、「いいよー」と返事をくれたのだ。
あのときの、感動といったら。
「今日もいい天気だねえ」
ぽわぽわしたなんとも暖かい雰囲気を醸し出すタカ丸は、見てるこっちが笑顔になれる。
わたしの友達はあの笑顔が怖いとか言っていたけれど、タカ丸はあの笑顔が素敵なんだ。
「あー、見て名前ちゃん。すずめだよ」
枝に止まるすずめを指差して、にこりと微笑むタカ丸。
すずめを見ながら、かわいいね、…なんて言うあなたがかわいいです。
すずめをしばらく眺めていると、どこからかもう一羽のすずめが飛んできた。
一度となりに止まったすずめ。
今度は二羽仲良く空に消えて行った。
「もしかして、恋人だったのかな」
ね、タカ丸。
隣にいた彼を見上げれば、なんとびっくり、かなり近い位置に顔があるではないか。
突然で本当にびっくりして、ちょっと嬉しいけど、タカ丸のきれいな顔が間近にあって。
わたしは思わず赤面してしまった。
「あのすずめたちみたいに、僕らも一緒に卒業しようね」
はにかんだタカ丸の一撃必殺技は私に致命傷を与えたのだった。