自分の命か恋人の命。この二者択一を求められたらお前はどちらを選ぶ?私は迷わず恋人の命を選ぶさ。もちろん失うほうだ。私は自分の命を捨ててまで恋人を選びはしないよ。生きれるならどんな手段でも選ぶ、それが忍だ。まあ彼女も一応くの一であるからその辺は理解しているだろう。けれど彼女は、…私を愛している。だからこそ恋人を身代わりに、なんて考えたりしないのさ。私だって、彼女に向ける愛情はほんものだ。愛している。けれど自分の命ほど大切なものはないだろう?私も友情と恋愛、どちらを取るかなんて言われたら迷わず恋愛だ。しかし己の命を天秤にかけられたら終わり、恋愛なんてものさっぱり切り捨てる。ひどいって?ははは、それが私だ。でもまあそうだなあ。できれば二人で生きたいというのが本音だ。私が唯一心から愛していると告げた女性だ。私が考えたこの最悪な別れ方はしなくないなあ。なあ名前。もし私がおまえの身代わりになって死んで逝った時は、お願いだ。俺の素顔を見て、微笑みながら口吸いしてくれよ、



恋人を庇って死亡した男のことば。彼女は微笑みながら話してくれたよ。名前さん、今でも君を強く愛しているらしいよ、三郎。

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