私は、後輩が好きです。にんたまもくのたまも、後輩が大好きです。先輩も好きですが、やっぱり後輩に勝てるものはないのです。あの可愛い手が、目が、私に向けられるととてつもなく嬉しく、胸が高鳴るのです。
「あ、名前先輩!」
「乱太郎くん!」
にんたまでのお気に入りは、一はの乱太郎くんです。出会い頭に抱きつくと、乱太郎くんは嬉しそうに頬ずりしてくれました。可愛くて可愛くて仕方がないのです。
「えへへ、ぼく、名前先輩に抱きしめられるの大好きです!」
目に入れても痛くないとはまさにこのこと。乱太郎くんは、今日もすごく可愛いです。よいしょ、と抱きしめたまま抱っこすると、乱太郎くんは腕の中で縮こまりにっこり微笑みました。可愛すぎて、おかしくなりそうです。
「乱太郎くん、どこ行こうとしてたの?」
「伊作先輩のところです!美味しいお饅頭を買ってきてくれたらしくて」
餌付けとはいい度胸ですよねえ。しかし頬を染める乱太郎くんが可愛いので許します。明日あたり私もお饅頭とお団子を買ってこようと思います。
「名前先輩もどうですか?」
「いいの?」
「はい!せっかく名前先輩と会えたのにさよならは嫌ですから!」
文句なしに可愛いと思います。出会えて良かった!伊作先輩は保健室です、という乱太郎くんの言葉に従い保健室に向かいます。先輩、先輩という可愛らしい乱太郎くんの声。眼差し。
「名前先輩大好きです」
「私も乱太郎くんが大好きだよ」
こんなに可愛い彼が、成長するに比例して忍を知っていくのが私には悲しくて仕方がないのです。殺めることを知っていくのが私には怖いのです。今はただ、純粋なるこの姿が、愛しくて愛しくて。