軽い嫉妬なら可愛いもの、とは言いますが、それはつまり重い嫉妬は可愛くないということ。けれど私は嫉妬というものに軽いも重いもないと思うのです。人によって感じ方が変わるのですから、この嫉妬は軽いから可愛いわなどとほざいてる雌の嫉妬こそ重かったりします。嫉妬は嫉妬。重くもなく軽くもない嫉妬。
つまり私が言いたいことは、現在進行中で竹谷くんにべたつく女が殺したいほど邪魔ということです。目の前に恋人がいるのにあいつ「あたしと付き合ってください」とかぬかしましたよ。おい舐め腐ってんじゃねえよ。
見てください竹谷くんの顔を。ものすごく嫌そうな顔をしているじゃないですか。あからさまに眉をひそめているじゃないですか。わからないんですか?あなたの目はとんだカスですね。
竹谷くんも竹谷くんでその手を振り払えばいいじゃないですか。そういうブタにはびしりと言わないとわかってもらえないんですよ。そんな竹谷くんの優しさが私は好きです。
ぐう、とお腹が鳴りました。もう、我慢できません。竹谷くん、私先に行きますからそいつ殺しておいてください。A定食二つ頼んでおきますから。
軽く会釈をしてその場を離れると、「あっ名前ちゃん!」名前を呼ばれました。竹谷くんの声です、嬉しいので振り返ります。振り返った途端、世界が青紫になりました、つまり抱擁されました。
竹谷くん越しにあの女の醜い顔が見えます。今なら言えますよ、「いくら可愛い女であってもそんな顔してたら平凡の私より不細工です」言いませんけど。
竹谷くん、と話しかけると、竹谷くんはにかっと笑って私の頭を撫でました。さらに歪んだ女に竹谷くんが言います。
「えっと、そういうことだから、」どういうことって、つまり、「名前ちゃんを将来嫁さんにするくらい好きだから、悪いけどあんたとは付き合えない」らしいですから、諦めてくださいねくのたまさん。それと竹谷くん人前で接吻はどうかと思います。いつも恥ずかしがるくせに「名前ちゃん、昼飯食いに行こうか」はい行きます!



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