到着したのはコンビニ前。
分かりやすい、というかかなりベタだな。
結構な人数で駄弁っている。
簡単に言うと、群れている。
隣に立っている恭弥をちらりと見ると、思った通りだが、かなり怒っている。
恭弥はそのままずんずんとそいつらの方に歩いていく。
そのうちに群れの数人が此方に気付いたようだ。
「あ?誰だテメーら?」
ひとりが言った。
「並盛の風紀を乱した上に群れてるなんて。」
恭弥が言う。
「俺らは並中の風紀委員ですが。」
恭弥が名乗らなかったので、俺が代わりに名乗った。
「なっ!?並中風紀委員が!」
そいつらは慌て出すが、
「おいっ俺達の方が数は多いんだ!やっちまおおうぜ!」
リーダーっぽい奴がそう言うと、他の奴等もそれに応えて向かって来た。
「「咬み殺す!」」
俺たちはそう言い、それぞれの武器を構えた。
正直、そのへんの不良なんて俺達の敵じゃない。
殴りかかってきた一人目を恭弥がトンファーで沈めれば、次に来た奴を俺が木刀で叩く。
それを繰り返せば、あっという間にその場に立っているのは俺達2人だけになっていた。
「…つまらない。」
そう言って恭弥はくるりと背を向けた。
俺も恭弥の後を追う。
確かに骨のない連中だった。
俺は恭弥のような戦闘狂ではないが、多少の物足りなさは感じた。
「じゃあ、俺は帰るわ。」
そう言って俺は家の方へと進もうとしたが、恭弥に腕を掴まれた。
「何いってるの、これから仕事だよ。」
「…ハイ。」
逃亡失敗。
俺は書類仕事は苦手なんだってば。
今日はすぐには帰れなさそうだ。