その夜、俺が外を歩いていたのは偶然だった。

不意に辺りが騒がしいと思い周囲を伺うと、こちらではすっかりご無沙汰になっていた殺気を感じた。

上を見ると、ちょうど俺の頭上を黒い服の奴等が移動しているところだった。

「おーい!」

声がして振り返ると、了平がこちらに走って来るところだった。

「おーう、何してんの?」

俺はそう訊いた。

「よく分からんが、極限に雷の守護者を助けに行くところだ!」

「なんて?」

「雷の守護者のピンチなのだ!」

「…あっそう。」

こいつと話すの、疲れるわ。

適当に返事をして立ち去ろうとしたが、急に腕を掴まれ引っ張られた。

「行くぞ!」

「はぁ!?ちょっと何で俺も!?」

抵抗しようとしたが、相手は人の話を聞かない奴。

俺は半ば引きずられながら連れて行かれた。




「うわぁ!こないでっ」

突然、そんな悲鳴が聞こえた。

「マズイ!行くぞ、銀也!!」

そう言って了平は走り出す。

いつの間にか俺も行くのが了平の中で決定事項となっているようだった。

渋々走って着いて行くと、黒ずくめの男が2人、子供を追いかけている。

「助けてぇ〜!!」

そう言って走る子供たちはランボと、初めて会ったが俺の記憶が正しければフゥ太とイーピン。

黒ずくめの男、おそらくヴァリアーの雷の守護者の部下の片方が、チビ達に向かって剣のようなものを降り下ろす。

そこに素早く割って入った了平がそいつを殴った。

「がはっ!!」

殴られた男は派手に吹き飛んだ。

「はぁ、しょーがねえ。」

俺は呟いてもう1人の男にかけより

ドカッ

木刀でそいつを薙いだ。

「ぐっ!」

そいつはその場に倒れ込む。

「え…」

さっきは見えなかった曲がり角からツナが顔をだした。

リボーンがニヤリと笑っている。

「ボンゴレファミリー晴の守護者にしてコロネロの一番弟子、笹川了平推参!!!」

了平が拳を構えるポーズできめ台詞を言った。


 

「お兄さん!銀さん!」

ツナが叫んだ。

「まだだぞ。」

リボーンが言う。

見ると、山本と獄寺も到着し、残りのヴァリアーを倒していた。

「ったく、何でアホ牛がリングを〜っ」

と獄寺。

「もー大丈夫だぜ。」

と山本。

「みんなーっ!」

ツナが走ってくる。

その後ろにはリボーンも。

お互いの無事を確認していると、ウザさ全開のランボの髪の毛に絡まるボンゴレリングを発見。

獄寺はまだ納得いってないようだ。

「しかし思ったより骨のない連中だったな。楽勝だぞ!」

了平が言う。

「そいつは甘えぞ。こいつらはヴァリアーの中でも下っぱだ。本当に恐ぇのは…」

そこまで言って、リボーンは何かに気付いてそちらを見た。

「来るぞ…!」

リボーンが向いた方向を見ると、バッと誰かが飛び出してきて、草むらに着地した。

「…お前たちがやったのか。」

「!!」

「雷のリングを持つ俺の相手は、パーマのガキだな。」

あれは確かヴァリアー側の雷のやつ。

あれには流石のランボも怯えている。

「邪魔立てすれば皆消す。」

そう言って奴は背の武器に手をかけた。

 

こちら側の守護者が戦闘体制に入りかけたとき、

「待てぇ、レヴィ!」

スクアーロを先頭に、残りのヴァリアーが姿を現した。

スクアーロの声は思っていた以上にでかかった。

迫力たっぷりのスクアーロに皆少なからずビビっていたが、俺は後の可哀想な役回りのスクアーロを知っているので、悪いがあまり怖くない。

死ぬ気の炎とか匣とか無しにしたら、俺はあいつとどの程度戦えるんだろうか、なんてことが頭をよぎったのは皆には内緒だ。


遅れて登場したXANXUSに睨まれて、ツナは終始ビビっていた。

確かにXANXUSはちょっと怖かった。

元々了平に連れてこられただけで、守護者でも何でもない俺は、そのあとはそこに突っ立っているだけだった。

XANXUSが憤怒の炎を出しかけたが、ツナの父親の家光が登場し、九代目の勅令により、同じ種類のリングを持つ者同士の1対1のガチンコ勝負をすることが決定した。


 

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