予想していなかったことに、俺は混乱していた。

相手も俺を見て、目を見開き、言った。


「銀ちゃん?」


神楽だった。

まさか俺以外にも居たなんて。


「か、神楽か?」


ついてきたは良いけど、人数的に余っちゃってるし、出番はないかな?って思ってたのに。

相手居るし。
しかも神楽。

なんで神楽が黒曜にいる?


色々疑問はあるが、神楽は今は敵。

戦わないと怪しまれる。


幸い、さっきお互いに名前を呼んだのは声が小さかったからか、他の奴等にはばれなかったようだ。


「お前、名前は?」

俺は訊いた。

「わ、私は神楽アル。」

神楽は戸惑いつつもちゃんと答えた。

「そーか、俺は雲雀銀也だ。」

神楽がまた驚いた顔をした。

そりゃあ坂田銀時じゃないからびっくりするだろう。


 



「よし、こいつの相手は俺がやる。」


そう言って木刀を抜き、構える。

神楽の顔を見るとあちらも驚き、混乱しているようだった。


神楽の方に踏み込み一撃。

神楽は傘でそれを受け止める。
その、二人の顔が近づいた隙に言った。

「戦うぞ、ふりでいいから。」

そう言って離れる。


「なっ!銀さんの攻撃を受け止めた!?」

「相手もなかなか強えみたいだな。」


「お前強いアルな。でも私には敵わないネ!」


そう言った神楽は俺に傘で殴りかかる。
どうやらこちらの意図を理解してくれたようだ。

しかも結構ノリノリ。


「あ?それはこっちの台詞だ。」

そう言って神楽の傘を木刀で受け止める。


今度は神楽が小さな声で

「どうしたらいいアルか?」

と訊いてくる。


「とりあえず、相討ちで。一発ずつ入れて終わり。」


そう言って離れ、また近づいたときに言う。


「倒れてろ、こっちもどうにかするから。」



また離れたとき、神楽が小さく頷いた。


ジャキン

神楽が傘をかまえた。


パンッ


こっちへ向けて撃つ。

「なっ?傘から弾が!?」

獄寺が言う。


それを避けて距離を縮め、神楽に一太刀入れる。


マジですまん、神楽。


「仕込み傘か。」

そう呟く。
変わんねーな。そんな台詞は声には出さない。


神楽は倒れない。どうやらまだ頑丈なままらしい。


「な、なんで平然と立ってられるの!?」


綱吉くんが言った。

確かに。
もう夜兎ではないはず。
というか、こっちには天人は居ないし。


「私は普通の人より頑丈なだけアル。あと力も強いネ!」

と神楽。


「やべえな。奴の攻撃を受ければ、普通の奴相手より銀はダメージを受けることになっちまうぞ。」

とリボーン。

「そんな!!」

とツナ。


…解説どうもありがとう。


 
また神楽が向かってくる。

殴りかかって来るので避けたら、そのままの流れで傘をつきだされ肩にかすった。

かすっただけなのに凄く痛い。


「ぐはっ!」

しかも、腹に蹴り入れられた。

やべ、血でちゃったよ。

そのまま倒れた。


「銀さん!」

ツナが叫んでいる。


「ごほっ、手加減しろよコノヤロー。」

小さく呟いて立ち上がる。



神楽がまた向かってきた。

舌打ちしてもう一度木刀を構える。

次に打ち合ったときに神楽の傘をはね飛ばして、続けてきた神楽のパンチを受け止めた。

「これで終わりだ。」

そう言って神楽の首の後ろに手刀を打った。


ドサッ


神楽が倒れる。




「ハァ…はい終了。」

息をついて、座り込む。


「銀さん!」

「ヒバリ!」


ツナ達が走って来る。


「大丈夫ですか!?」

ツナが言う。

「あぁ、大丈夫。けど、腹蹴られてキツいから休んでて良い?後で追いかけるから。」

本当はまだ行けるけど、神楽のことが気になる。

それに恭弥は死にはしないし、まあ大丈夫だろう。



「ああ、わかったぞ。俺たちは先に行く。」

リボーンが言う。


「うん。後でな。」

そう言ってひらひらと手をふる。

そして、皆が歩いて行くのを見送った。



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