春。


花見シーズン。


江戸では万事屋メンバーとプラス何人かで酒飲んで酔っぱらったりしてたけど、今は中学生なので飲めない。

飲めるけど、前飲もうとしたら恭弥に止められた。


それは良いとして、今日は1人で花見を楽しみたいと言い出した恭弥に、公園に誰も来ないよう見張りをさせられている。

他にも風紀委員が数人、公園のあちこちに立っている。



しばらく立っていると、公園の入口の辺りが騒がしくなった。



「おーラッキー」

「これで殺されなくてすんだ〜」

「一番乗りだ!」


どうやらあの3人組が来た模様。

一番乗りじゃなくて、誰も入れなかっただけなんだよね。

「ここは立ち入り禁止だ。」

「!?」

「この桜並木一帯の花見場所は全て占領済みだ。出てけ。」


ほらね。風紀委員、というか恭弥が占領してるんだよ。

まぁ、あいつらがこれくらいで引き下がるとは思ってないけど。


「ああ?」

「おいおい、そりゃずりーぜ。私有地じゃねーんだしさー。」


獄寺と山本が言う。


「誰も話し合おうなんて言っちゃいねーんだよ。出てかねーとしばくぞ。」


「ひいいい!!」

今のはツナくん。
ヘタレだねー。



さっきからしゃべってる風紀委員、名もない平風紀委員君。

そんなに強くないし、そろそろヤバイかも?


「るせ」

ドガッ


「はがっ」

ドサッ

呆気ない風紀委員。

俺は嘆息し、奴らの所まで出ていった。



「おいおいお前ら、何してくれてんの?」


「出たな、ヒバリ!」

と獄寺。


「ヒバリさん!?あ、この人風紀委員だったんだ!」


「そうだよ。てか、ヒバリさんってのやめてくれない?恭弥と被ってるし、銀でも銀也でも良いからヒバリさん以外にして。」


俺は言った。


「えっ?は、はい。」

ツナくんが言った。


「というわけで、君たち出てってくれる?」

俺は言う。
俺だって、恭弥に言われて見張ってるんだし。

ある程度言うこと聞いとかないと、応接室でサボらせてくれなくなるから。



「テメーが出てけ。」

獄寺がダイナマイトを構えた。


「ちょっと待ってよ、俺は戦うのは嫌なんだってば。」


「だったらここ使わせてくれねーか?」

山本が言った。



「うーん…恭弥がねぇ。」

と、そのとき。


「騒がしいと思えば君たちか。ちょっと銀也、追い払ってって言ったでしょ。」


恭弥がやって来た。


「僕は、群れる人間を見ずに桜を楽しみたいからね。彼に追い払って貰っていたんだ。」

恭弥が言った。

相変わらずムチャだな。


「でも君は役に立たないね。あとはいいよ、自分でやるから。」


「い…委員長」


「弱虫は…」

そう言って恭弥はトンファーを構える。


「土にかえれよ。」


ドカッ

「がはっ!」


「!」

「なかまを!」


「見てのとおり僕は人の上に立つのが苦手なようでね。屍の上に立ってる方が落ち着くよ。」


恭弥が言った。

これには皆もゾッとしたみたい。


「銀はいいのか?一緒にいることも多いみてーだが。」

とリボーン。

「銀也は別にいいんだよ。」

と恭弥。

恭弥は俺と群れるのは構わないらしい。


「いやー絶景絶景、花見ってのはいいねー♪」

また別の声が。


「っか〜やだねー男ばっか!」


でろ〜んって感じの効果音が似合う、すでに酔っぱらったシャマルだ。



「まだいやがったのか!!このやぶ医者、ヘンタイ!スケコマシ!」


と獄寺。ツナに宥められている。


「俺が呼んだんだ。」


リボーン登場。

「赤ん坊、会えて嬉しいよ。」


「オレ達も花見がしてーんだ。どーだヒバリ、花見の場所をかけてツナが勝負すると言ってるぞ。」


「なっなんでオレの名前出してんだよー!!」


間髪入れずツナが叫ぶ。


 


「ゲーム…いいよ、どーせ皆つぶすつもり打ったしね。じゃあ君たち三人と僕達とでサシで勝負しよう。お互いヒザをついたら負けだ。」

「ええ!それってケンカ!?」


ん…?

「ちょっと恭弥、もしかして俺入ってる?」


「もちろん。」

「マジでか。」


「やりましょう10代目、いや、やらせて下さい!」

「一応ルールあるし、花見してーしな。」


「みんなやる気なのー?」


獄寺と山本は乗り気だ。


「ヘいヘい、わかったよ。」

俺も木刀に手をかける。



「お、銀が戦うのは珍しーな。お手並み拝見といこうじゃねーか。ケガのことは心配すんな。そのために医者もよんである。」


リボーンが言う。

「あの人女しかみないんだろ!!」

確かに。


「へーおめーが暴れん坊主か。おまえ姉ちゃんいる?」

「消えろ。」


バキッ


「のへー!!!ふぎゃーっ!!」


あっ

ここでシャマルを倒すとヤバいんじゃ…


「10代目、オレが最高の花見場所をゲットして見せますよ。」

「えっでも獄寺くん、相手は…」


「まぁ見てろ。」

「!え?」



「てめーだけはぶっとばす!!」

走り出す獄寺。


「いつもまっすぐだね。わかりやすい。」


ビュッ


しかし獄寺は恭弥のトンファーを避けた。

気づけば恭弥の周りにダイナマイトが。

「果てな。」


ドガァン!!


「ええっまじでヒバリさんを!!」


「あのスピードと柔軟性は強化プログラムで身につけたものだぞ。」



「で…?」


ブオォォ

「続きはないの?」


「なっトンファーで爆風を?」

「二度と花見をできなくしてあげよう。」


ビュッ

「くっ」


獄寺はよけたがその時にヒザをついてしまった。


「獄寺はヒザをついた。ストップだ。」

そうリボーンが言ったが恭弥は止まらない。

「やだよ。」

ヒュッ

「ああっ」


キイン!


「次、俺な。」

「恭弥、交代。」

 



山本と俺がほぼ同時に間に入った。


「山本のバット〜!?何物騒なもんわたしてんだよ!!」

とツナ。


「刀対決か。」

とリボーン。


「これならやりあえそーだな。」

と山本。


「そうか?」


俺も木刀を構え直す。


「いくぜ!」

山本が突っ込んでくる。

でもまだ素人の動き。
これなら勝つのは簡単。

「オイオイ、隙が多いよ。」


そう言って俺も斬りかかる。

山本も最初は持ち前の反射神経で避けていたが、俺もそんなのに負けるワケがない。

バシッ

「ぐわっ」

木刀を山本の脇腹に叩き込む。

「くっそー」

そう言って倒れた。


「加減したから、勘弁してね。」


そう言って振り返ったとき、



ズガンッ

「復・活!!!死ぬ気で倒す!!」

 



そういうが否やツナが飛びかかってくる。

はたきで。

ちょっ、これと戦うのは嫌なんですけど。


「恭弥、パス。交代して。」


そう言ってヒザをつく。


「ちょっと銀也、手抜かないでよ。」

そう言いながら恭弥はトンファーを構え、ツナの攻撃を受ける。


「うおお!!」


「…君は変わってるね。強かったり弱かったり良くわからないから、殺してしまおう。」


そして2人でしばらく互角の攻防。


「すげー」

「互角だ…!」


シュウゥゥ

でも5分たったみたいで、死ぬ気モードが終わってしまう。



「い!?」

正気に戻ったツナだが、恭弥の攻撃は止まらない。


「わっちょっまって!ひいっ!!」


ドサッ

「!」


あ。

恭弥がヒザをついた。

そういえばシャマルにやられるんだった。


「おおっ」

「やった!」

「えー!?うそ!?オレがやったの〜!?」



「ちがうぞ。奴の仕業だぞ。」

リボーンが指差す。

その先には、

「おー、いて。ハンサムフェイスにキズがついたらどーしてくれんだい。」

「Dr.シャマル!」


シャマルがいた。



「シャマルは殴られた瞬間にトライデント・モスキートわヒバリに発動したんだ。」

説明するリボーン。


「わリーけど越えてきた死線がちがうのよ。ちなみにこいつにかけた病気は桜に囲まれると立っていられない『桜クラ病』ってな。」

しまった。阻止できればよかった。

これのせいで、後々困ることになるのに。



フラフラしながら恭弥が立つ。

「約束は約束だ。せいぜい桜を楽しむがいいさ。」


そしてフラフラしたまま立ち去ろうとする。


「あっ恭弥待って。」

そう言って追いかけようとすると、


「おい、銀オメーもどうだ?」

「どうって?」

「花見。」


誘われた。

「んなっリボーンさん!?なにを!?」


獄寺が言う。


「安心しろ、獄寺。俺は結構ですぅ。」


そう言ってヒラヒラと手を振り、俺は恭弥を追った。




おまけ
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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