コルヴェとモリエ

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美しく上品な物腰のモリエと頭脳明晰な紳士のコルヴェは校内で人気を二分する存在だった

上級生である二人は共にフランス人で、ヂャーマスの先輩であり交友があった

コルヴェとモリエは学業の成績も肩を並べて優秀で、正に非の打ち所がない二人組だった

コルヴェは理事長の一人息子であり、責任感に加えて生徒からの信頼もあるモリエは男子学寮の寮長も務めており、在学中に医師の資格を得たフランス語の流暢なヂャーマスを気に入り、時々自分とコルヴェが生活する寮室で開く茶会に彼を招待したりした

ヂャーマスが大の甘党である点もまた好感度を上げる自分との共通点で、昼下がりにお菓子を食したくなる博学のモリエにとっては充実した時間を過ごせる良き話し相手になった

いつもモリエの側に寄り添うコルヴェは優しい振る舞いで女生徒から絶大に支持されていたが、彼の関心は常にモリエの言動にあった

コルヴェの気がかりは最近、モリエが何かしら理由を付けてはヂャーマスを呼びつけ、側に置きたがることだった

穏やかで、誰に対しても別け隔てのない振る舞いで模範となるような紳士のコルヴェだったが、そんな彼でも唯一モリエのことになると目の色が変わった

ヂャーマスは鍛え上げた観察眼でコルヴェの微妙な表情の変化を捉え、彼の胸にある秘密の感情を見抜いた

彼が判断した通り、コルヴェは親友であるモリエを深く愛していた

だから明確な理由もなく突然モリエがヂャーマスとの距離を縮め始めたことを、快く思う筈がなかったのだ










「秘密の感情」
ロザム&ヂャーマスの高校での先輩・上級生
ジャン・ジュール・ド・モリエ(左)とエルヴェ・ド・コルヴェ(右)
(カナディアン・レイン シリーズ)
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