「どうせ…読むのもいかがわしい本ばかりだろう」
紫堂櫂は嘲笑する。
「お、熱心に女体研究か!!!?」
如月煌が食いついてくる。
「知識より…実践だよ、久遠の場合は」
紫堂玲が溜息をつく。
腹立たしい。
このオレを一体、どう見ているんだ?
「久遠もエロ本って見るの?」
馬鹿せりが、真剣に聞いてきた。
興味津々とばかりに目が輝いている。
「お、どんなエロ本なんだ? マダムもの? 調教もの?」
やはり本能的に、食いつくのはオレンジの犬。
オレは顔を歪ませて横を向く。
何て下賎な。
「やっぱ煌のように巨乳モノ?」
「〜〜ッッッ、何で知ってるんだよ、芹霞ッッ!!!」
馬鹿だ…。
「え? あたしが知らないとでも? あんたベタにベッドの下に隠してあるけれど、掃除すれば目に付くでしょう?」
「だから紙に包んで紐で縛ってたじゃないか!!」
「あんなおかしなものでたら、中を確認するでしょう!!? で、捨てるでしょう、普通は!!!」
「あ!!!? 捨てた!!? …!!!! ネットからオトしたDVDは!!? 俺の"ぱふぱふ学園"は!!!? 見たのか!!?」
「真剣な顔で"ぱふぱふ学園"なんて言うな!!! そんな胡散臭くマジックで書かれていたものなんて見たくもないわよ!!! ハサミ入れて即ごみに出したわ!! って…ネットって何!!? ネットしたことないあんたが何で…まさか!!!」
紫堂玲は、げほげほ咽(む)せこんで。
「す、捨てただと!!? 俺の…"ぱふぱふ学園"…!!! 玲、マスターはとってあるか!!? 玲、玲…どうなんだよ!!!」
紫堂玲は、答えを完全拒絶するように背中を向けた。
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