玲くんは唇を離すと、紅潮したような顔であたしに囁いた。
「作ることを極めるとね…育てることに走るんだって」
「????」
「君の愛は……いつ食べ頃になるんだろうね?」
そういうと、玲くんは自分の下唇をぺろりと舌で舐めた。
「!!!?」
くらり。
駄目だ…腰が抜けそう。
「待っているからね、僕は。
君が美味しく美味しく育つのを。
そして最高の味になった時、
僕が君を丸ごと食べてあげる」
鳶色の瞳は妖しく揺れて。
「覚悟してね?」
小首を傾げて玲くんはそう言うと、
「だけど味見はさせてよね?」
鳶色の髪をさらさらと揺らして。
「もっともっと僕の愛を上げるから――
早く美味しく育ってね。
最高の味に――」
何度も何度も――
「君が…好きだよ」
啄(つい)ばむようなキスをした。
Fin.
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