SS_MENU | ナノ


「ん……」


目の前には大画面のシューティングゲーム。

傍にある大きな銃器の形をしたもののトリガーを引いて、画面の敵を打つらしい。

敵はゾンビだった。


やはり初めてのものだけれど。

僕はお金を入れた。


「うわ〜ゾンビ出てるか、このゲーム!!? "死んだ"ゾンビした出てこないじゃないか!!」

「出てるはずだけれど、その前に…あいつの動きが速すぎて、俺たちが敵だと認識する前に、倒されているんだ!!!」

「待て待て待て!! あれボスだろ!!? 何でボスからの攻撃がないんだ!!?」

「ボスからの攻撃の前に、あいつの攻撃が早すぎるんだ」


終わっちゃった。


ん…。


簡単過ぎてイマイチ。

僕は終わってからも、不満を示すように、何度かトリガーをカチャカチャと指で弄った。


隠し画面も何も出てこない。

つまらない…。



「何、あいつの…不満げな顔!!」

「何で満足できてねえの!!? 最高得点のくせに!!!」

「俺、あれクリアするのに、1600円連続投入したんだぞ!!?」



由香ちゃんと格ゲーしたいな。

でも由香ちゃんも学校だし。


僕は、不完全燃焼状態でゲームセンターを出た。


戦利品はティアラ姫。

奪われたのは、50円の大根2本。


失ったものの方が大きい気がした僕は溜息をつき、家に帰った。





- 11/18-


[ *前 ] | [ 次# ]

ページ:


しおりを挟む


SS TOP


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -