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わらわら…。


「よかったね〜玲ちゃん」

「おばさん役に立って嬉しいわ」

「やはり大根特売日に、玲ちゃんの顔見ないとね〜」


何度も顔を見合わせているおばさん達集結。

もう化粧する年齢もすぎたようで、スッピンのサンダルで、がはがは笑うけれど。


だけど僕の為に、駆けつけてくれた。


そして僕の手には、大きなダンボール。

中には僕が買ったお菓子の材料と合計25袋の砂糖と…大根2本。


「大丈夫かい、玲ちゃん。ちゃんと持って帰れるかい?」

「はい、大丈夫です」

「玲ちゃんはいつもにこにこして可愛いのに、力もちなんだね」

「玲ちゃん、今日は何の料理を作るんだい?」

「そんなに若いのにお料理作るなんて、いつも関心だねえ」


おばさん達の…僕に対する興味は尽きないらしいけれど、実は僕、このおばさん達には色々お世話になっている。



僕の料理の基本は…

こうしたおばさん達から得た情報も大きいんだ。


考えてみてよ。


給仕達任せの紫堂育ちが長かった僕が、櫂と桜と一緒だからって…その家を出たら突如、世情に強くなるわけないだろう?

突然肉じゃがとか筑前煮作ったり、お魚捌(さば)いたりできるわけないだろ?


最初は、やっぱり…僕もそれなりに苦心したんだ。

マンションでは僕が、皆の健康管理を任されているし、何より櫂や桜に偏った栄養を取らせたくないし。


僕は年長者でもあるし、やはり僕が櫂をサポートして行きたかったから。


次期当主を剥奪された僕は、櫂のように太陽の下に出なくなった分、日影でいろいろと勉強していた。

随分と…自分なりに沢山料理を作ってみては、思い通りにならない味に凹みながら。



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