それは永遠?
「あ、大根切らせちゃった。ぶり大根なのに大根なければ意味ないね。ちょっと僕スーパーに行ってくる」
そう玲は言った。
「芹霞、悪いけど…君の足下に置きっぱなしにしてる僕の携帯、そこの上着に入れといてくれる?」
鍋の火を止めた後、他に不足してる材料がないかを確認する彼に、
「ん。判った」
解けぬ数学の問題を必死に考え込みながら、芹霞は無造作に掴んだ携帯を玲の上着にねじ込んだ。
それを見た玲の妖しげな笑いに気づくことなく。
「じゃあ僕、ちょっと行ってくる。何かあったら連絡してね?」
全ては――
玲の買い物から始まった。
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