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******煌Side


芹霞に嫌がられたと思った直後に、芹霞が泣いて言ったのは。

俺の理性を打ち砕く呪文。


俺、我慢してたのによ。

俺、大人しくしてたのによ。


「こ…う…んん、ふ、んんっ」

これ以上ねえってくらいにひっついて、これ以上ねえってくらいに口内を深く掻き回す。

下に手を伸ばしたい衝動を、死ぬ気で抑えつけて、代わりに芹霞の顔中撫で回す。

薄く目を開けて見る芹霞の顔は、赤く…欲情の艶を放っていて。

やべ、見なきゃ良かった。

後悔が押し寄せる。

一度でも見ちまった、芹霞の"女"に即座に反応する俺の本能は、

なけなしの理性の制止振り切って、より柔らかい場所を渇望する。


「喰いたい…」


お前の全てを食らい尽したい。


「すげえ…お前が欲しい…」


そう呟きながら、唇を喉元に滑り落とせば、


「た、食べないで…」


俺を煽るだけのか細い声に。


「無理。味見してえ…」


服越しの、柔らかい頂に唇を寄せ、軽く歯を立てれば、


「駄目…だって」


びくんと身体を反らせて芹霞が言った。


無理だって。

片手は芹霞の背中をまさぐり、服の下へと伸びていく。


本当にもう無理。


「煌、…やっ」



何言われても無理だから。

もう1つの手は、芹霞の片足を持ち上げ、壁に固定した俺の片足の上に跨がらせて。

それはもうどう見ても卑猥な格好で。

本能が俺を突き動かす。


止まらねえ――





「何してるの?」



突然のその声に、驚いて視線を落とせば、鼻水垂らした小僧。

チュッパチャップス舐めながら、俺と芹霞をじっと見ていて。


俺はさ。


「ねえ、何してるの?」


確かに空気読めねえ馬鹿な男だけど。


「ねえねえねえ!!?」


「うるせえんだよ、邪魔しやがってクソガキが!!!」


更に空気読めねえ、ガキってのが嫌いなんだよ!!!



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