傷跡
 これが唯一で絶対。
 傷跡這う舌先。自分の傷跡を舐めているのに、この倒錯感。
 は、と息吐いて愛しさがこみ上げる。
 掌を走る傷跡は太刀を反射的に受け止めたからだ。
 治らない。治る事を拒否した傷跡が与えた恩恵は、世界がひっくり返るものだった。けれど最高に幸せ。
 この傷跡が縛る。この傷跡が覚醒させ、あの兄を縛った。
 自分を守ることを選んだ兄を同じ側に引き込んだ。
 自分だけのものに、した。
 兄にとっても、自分は唯一無二。
 震えるほどの、幸せ。




二次創作ともいう!
マスターとガーディアンおいしい。


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