長谷部side


俺は、いつも一番に風呂に入る。
それはたくさんの刀剣男士が入った後が嫌だとか、一番風呂に入って優越感に浸りたいから等という理由ではなく、ただ純粋に静かにお湯につかりたいからだ。晩の食後から数分経った時刻に風呂に入ると圧倒的に混んでいて騒がしい。普段から他の奴らにはストレスを感じているのだから、風呂くらいは癒しの場であって欲しい。

...の、だが。

今、一番風呂に入っている俺は、猛烈に心を乱されている。その理由は、この時間に入っている事は珍しいなまえ。いつも一緒に居る一期一振の姿は無く、現在風呂には俺となまえの二人きり。そんな必要は全くないはずだが、妙に緊張する。

緊張を紛らわす様に、少し乱暴にガシガシと頭を洗い、泡を流す。流し残しが無いか鏡で髪を確認すると、視界の端に体を洗っているなまえの背中が写った。


『と、届かない...っ!』



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