七月三十一日。雨。夜。

俺の名前はなまえです。
今日の昼頃、主から命をうけて今これを書いています。
偵察の練習のために、誰かを観察して報告しろとの事です。誰を観察しようかとても迷ったけれど、あみだくじで和泉守さんに決定しました。観察は明日一日です。頑張ります。


八月一日。雨。


朝、一兄に起こしてもらって無事早起きする事ができました。音を立てない様に、気がつかれない様に、息や気配を殺して和泉守さんの部屋に近づきます。流石に障子の隙間から覗くと、和泉守さんや同室のうぐいす丸さん(主、ごめんなさい。うぐいすという漢字が書けません。)に、気がつかれてしまう可能性があるので、取り敢えず、和泉守さんが部屋を出るまでは音声だけ聞き取ります。

俺が和泉守さん達の部屋の側で息を潜めていると、俺がついた数分後に、誰かが起きました。服や布団の布の擦れる音から、唯意識がかくせいしただけでは無く、体を起こしたんだと思います。


「...雨の音が聞こえるな。全く。俺はぽかぽかした縁側でお茶を飲むのが好きだというのに。」


声から察するに、うぐいす丸さんです。うぐいす丸さんは独り言を言うタイプらしく、「こんな天気じゃ気分が上がらないな...ズズズ」「ふぅ、やはり茶は美味い」「和泉守も嗜めばよいのに」「まあ...和泉守はいいか。どうせ大包平が来たら、部屋を移動してもらうのだしな」と、声が聞こえます。耳を澄ましているとはいえ、これだけハッキリ聞こえるという事は、結構な声量だと思います。


「オイ、独り言うるせえよ!!」


うぐいす丸さんの独り言で和泉守さんが起床しました。漸く、観察開始です。


「ああ...起きたか。おはよう。」
「お、おう...おはよ...じゃねえ! なんだよお前!昨日は朝飯に間に合わねェくらい起きるの遅かった癖に、今日はなんでこんなに早いんだよ!」
「知らん...ズズズ...ふう」
「ぐっ、大包平が来たら俺が部屋を移動するってのは.....!?」
「ああ、あくまで予定だがな。俺は大包平と。和泉守は堀川くんの所にでも行ってきたらどうだ?」
「あいつは山伏と一緒だろうが!そもそもこの本丸は顕現した順に部屋割りされて行く。我慢しろ!」



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