02

あの後またお腹がなった主に連れられて、本丸の食堂に入った。食堂に入ってまず驚いたのは、食堂の大きさと人の多さ。

人が多い所は正直苦手だ。


「皆、遅れてゴメンな。でも喜べ!新入りが来たぞ!」


人の多さに顔を顰めていると、主が声を張り上げた。すると食堂がざわつく。


「え、新入り!?」
「やったー!」
「初めて見る刀剣男士だな、こりゃ驚きだ」
「演練でも見たことがありませんね」
「友達になれるかな!」


うわ、うるさい…。主がこの人達なだめてくれないかな。と主をチラ見すると、主がこっちを見ていて(ガン見)驚いた。それは何かを促すようで、初めての顔合わせ、大勢の前に立つ俺という状況を客観的に見れば、恐らく自己紹介しろって事だろうと考えつく。

しかし自己紹介は俺にとって一番苦手なイベント。何を言えばいいか分からないし、恥ずかしいし。主に自己紹介した時は強制だったけど。

ここはまあ無難にいこう…。


『…無銘刀、です…。短刀です。よ、よろしく…お願いします。』


そう言葉を告げ終えるとにこやかに拍手された。恥ずかしくなって頭を下げると、主から頭を撫でられる。


「俺も初めて見る刀剣男士だけど、ここに来たからには家族だ。皆仲良くしてやって」


主の言葉に「はーい」という沢山の返答。
取り敢えずいい人達だって分かったけど、俺のコミュ力では仲良くなれるか不安だ。


「まあ、とにかく飯だ!光忠、もう1人分あるか?」
「勿論」


光忠と呼ばれた人が厨に行って数分、定食みたいにおぼんにのせられた沢山の料理が出てきて、空いている席に置かれた。


「無銘刀君...だよね。今日は此処で食べて。あ、俺は燭台切光忠。よろしくね!」
『う、うん。よろしく』


取り敢えず置かれた食事の前に座る。主は長方形のテーブルの辺の短い方の席に一人で座っていて、まるで誕生日の人みたいだった。てか遠い。

そんな主が一番離れている俺にも聞こえる様に声を出した。


「手を合わせましょ!ぱっちんこ!いただきます!」


え…


「「「いただきます!」」」


え…



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