25

side審神者

霊視で無銘刀の様子を確認していると、思った以上の無銘刀の強さに驚くばかりであった。最初の戦闘、緊張して失敗しないかな、と内心ハラハラしながら見ていたけど、歴史修正主義者が攻撃する前に二回攻撃するという驚きの機動力を見せつけ、アッサリ歴史修正主義者を倒していた。

ふええ、うちの無銘刀まじかっけえ。

「無銘刀、どうだ?」と獅子王がしつこく聞いてくるが、霊視をしながら喋るというそんな高度な技術が俺に出来るはずがないのでちょっと待て。


サイコロは...、お、ボスの所行ったな、運にも恵まれている。と布の下で薄く笑うが、次の瞬間、背筋が凍る。


「検非違使...!!?」


そんな、有り得ない、だって、は、函館、


「主、検非違使が出たのか!?」


獅子王が叫んだのをきっかけに、我に返る。ヤバイ、霊視を解いている。

うるさい獅子王を無視して再び目を瞑った。


***



敵を倒したあおい何かは、強いし、数も多い。一瞬味方かと思っていたけど、呆然としている俺を視界に捉えた瞬間、今度はこっちに斬りかかってきた。


『.....っ、』


一撃ごとが重い。俺の短い刀身では受け止めきれず、体ごと弾かれる。慌てて体勢を立て直そうとした所を、他のあおい敵に切りつけられる。

一つの金の刀装が犠牲になってくれたお陰で、俺自身は傷を負わなかったが、かなり危ない状況だ。


どうしよう、と策を考えようとするが、6人もいるあおい敵はそんな時間を与えてはくれない。
次々と斬りかかってくる敵を、どうにか避けながら反撃のチャンスを伺う。

___ここだ。

一瞬できた隙を狙い、敵を斬ると、会心の一撃が出て1人が地に伏せる。ほっ、と思わず安心してしまった所を狙い、あおい槍が俺を突く。


『...、い、たい...…!』


刀装を無視出来る強烈な一撃は、一瞬で俺を中傷にまで追い込んだ。平和な時代に鍛刀された為、痛みに慣れていない俺の体がふらりと傾く。

突かれた腹部が焼けるように痛い。
...、このまま、破壊されてしまうのだろうか?

と嫌な予感が俺の脳裏をかすめる。
長谷部さんに怪我をしたら怒られちゃうのに、今日一兄とあまり話せてないのに、清光と獅子王さんに頑張れって言われたのに、主に、『ただいま』って言いたいのに、.....破壊、されたくない。

強く思った瞬間、体の芯から力が溢れてきた。


『そろそろ...本気、だそうか、な...っ!!』



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