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拍手お礼文は現在2種。
NLとSSL連載挿話です。





※土千
※SSL設定でもしも転生だったら







――初めて会ったはずなのに、なぜかとても懐かしくて。
とても、愛おしかった。


「ああ、此処に居たのか」

千鶴、と彼が名前を呼ぶ。
初めて会ったはずなのに、彼が名前を知っているのが当たり前のように感じられる。

――ずっと、あなたを探していた。
きっと私は、あなたに出会うために生まれてきたんだ。

「千鶴」

優しい声が、愛おしむようなその瞳がおぼろげな記憶と重なる。
私の中で足らなかったピースがぴったりはまった気がした。

「……何年待ちましたか?」

「お前を置いて行った時間よりは遥かに短けえよ」

あなたの隣で過ごせた時間と、あなたを想って生きた時間。
その長さは比べようもないけれど。
どちらも、私の大切な時間。

「……また、お側に置いていただけますか?」

「お前が望むなら、いくらでも叶えてやるさ」

舞い散る桜は、あの時と同じように私の心を揺さぶった。
「今度は、先生と生徒ですね」

「わかってるだろうが、特別扱いはしねえからな。……それにしても…」

「なんですか?……その、そんなにじっと見られると…ちょっと困ってしまうのですが」

上から下まで見つめられて少し居心地が悪い。
何か、変なところがあるだろうか。

「いや……似合ってんじゃねえか」

「え?」

「前は着せてやれなかったからな、浅葱色」

「ああ……気にしていらっしゃったんですか?」

「まあな」

――いつも、彼らの背中を追いかけていた。
時代の黎明を吹き抜けた、浅葱色の風を。

「土方さん」

「なんだ」

「……ありがとうございます」

また彼の隣を歩ける。
また、思い出を重ねていける。

大きな幸せをくれるのは、いつだってあなたでした。



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