「一緒に行かない?」

「へ?」

予想外の言葉に間抜けな返事をしてしまった。

「次は一緒に」

きっとレッドは私が1人残されたのが悔しかったことも悲しかったことも知っているんだろう。

昔から不器用で優しくて、

「泣くほど嫌?」

自分でも無意識のうちに泣いていたみたいだった。

「違うよ…
優しくされるのまだ慣れないから…」

ずっと優しさを怖がっていたから、未だに優しくされると泣いてしまうみたいだ。

「また旅に出るのは決定?」

「うん」

「そっか」

頂点に立つということは失うことの方が多いと思う。負けたら、尚更。

「ね、レッドは最強のトレーナーとしてここにいて良かった?」

そう訊ねると彼は

「うん。
だってまた会えたから」

形がどうであれ目標としてずっと想ってくれてたしね。
と彼はピカチュウに目線を向けたままそう言った。

「ね、レッド
私も一緒に旅に出るよ」

そう言うと彼は微笑んだ。

「宜しく」

「うん!
あのね、     」

ボソボソとレッドにに言ったらレッドは顔を赤くした。


やっと追い付いた
(ずっと前から好きだったの)






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