『ねぇ、デント』

「ん?なに?」

『地球の果てってどこなんだろうね』


サトシとアイリスがバトルをしているのを眺めながら名前がふいに呟いた。


「え、地球の果て?」

『うん』

「そりゃー…何処だろうね?」


いきなり地球の果てはどこにある?なんて聞かれて答えられるはずもなく。

名前はそう、と呟くとまたサトシとアイリスに目を戻した。けれどその瞳には二人が映っていない。まるでどこか遠くを見つめているようだ。


「いきなりどうしたの?」

『んー…サトシにはポケモンマスター、デントにはポケモンソムリエ、アイリスにはドラゴンマスターっていう目標があるでしょ?それなのに私には無くて。このままでいいのかなって』


名前は憂いを帯びた表情で一つ、息を吐いた。そのまま伸ばしていた膝を抱え込むと顔を埋めた。


「ね、名前」

『……なに?』

「僕は君にそのままでいてほしいけどな」

『……どうして?』

「とりあえずは一緒に旅できるでしょ?僕は…名前と一緒にいろんなもの、探したいよ」


グイッと名前の手を引き、緑揺らぐ大地に寝転がる。真上には少し、白が混ざった青空。


「いっそのこと、僕とポケモンソムリエ目指す?」


僕たちならいいテイストが醸し出せると思うよ。目を細めて呟く。


『………うん』


軽く握られていただけの手が一度離れて再び指を絡めて繋ぎ直される。所謂恋人繋ぎ。

僕はだらしなく頬が緩むのを感じながらも直すことができず、そのままになる。


ただ、キュッと繋がれた手を強く握った。




CANDY POP


(あれ、二人とも寝てるぜ)

(ははぁーん…とうとうくっついたのね)

(仲良さそうに寝てるな!!)

(………サトシったら子供ね!!)






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