う、うー、ぶっ、むー。

あぶー、という声で目が覚めた。ベッドの横にあるベビーベッドを覗くとミナト君が愚図ついていた。

『おうおうおう、ミナト君や、どうしたのかね』

くしゃくしゃになった頭をかきながらミナト君を抱き上げる。この小さな命を育て始めてから自分の睡眠時間は極端に減ったと思う。

手伝ってくれる人間が全くいないのも大変だと愚痴を零す。

『寝付けない?』

ご飯も排泄も、何となく手を当てたりして感じ取る。それでも一割当たるか当たらないかの確率なので当てにはならない。

『ちょっと散歩に行こうか』

肌寒い朝の気温を考えて、暖かい毛布で包む。自分自身も少し厚着をしてミナト君を抱いた。未だ不快感を表している顔を覗きながら玄関の戸を静かに閉める。

『朝ですよミナト君。この冷たい外の空気に触れるのは初めてかな』

答えるかのように、ぶうっと唇を膨らませる。その顔を見てまた笑う。

それから私たちは、寒いからと10分にも満たない短い散歩をした。



ミナト:0歳

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