友人が去ってから数日が経った。突然、子供が出来た私は混乱しつつ、右往左往を繰り返していた。本屋で赤ん坊関連の書籍を買い、読みあさる。それでも分からなければネットを駆使して調べた。案外ネットは役に立った。

『おむつ、おむつ、おむつ』

便利なもので、紙のおむつには丁寧に番号が書かれている。その順番通りにすれば完璧。されるがままの赤ん坊は気持ち良かったのか、ほんの少しだけ口角を上げた。数ヶ月はあまり反応がないのが当たり前と聞いていたけれど、笑ったとこちら側で勝手に解釈するのもいいもんだと思う。

落ち着いてから5分、甲高い声が部屋中に響く。

『おむつか、ミルクか、抱っこか』

慌てて抱き上げて、お尻を触る。おむつではない。ならばミルクかと台所へ向かう。

哺乳瓶と睨み合い、擦り切り一杯の粉ミルクを入れる。次に湯を足して人肌の確認した。

『どうぞー』

そっと口元に近づけて反応を見る。小さい口が開かれ、哺乳瓶に吸い付いた。あう、と声を出して喉を鳴らす赤ん坊に微笑んだ。

『ミナト君』

いつか友人が迎えに来る時まで、それまでは一緒にいよう。
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