どっちにしろ巻き込まれるなら、嫌々、巻き込まれるんじゃあなくて、自分の意思で突っ込んだ方がマシだと私は思う。



何故、そんな事を?平穏な生活は諦めたのか?と言われるかもしれないが、そうじゃあないのさ。
自分の意志が有るか無いかで、物事に対するやり方や見方と言うのも変わるだろう?自分の意志が有れば、真剣にそれに対して考えたり観察する事が出来る。しかし、それが無ければ、手を抜いたり、いい加減に見たりするだろ?
そんな考え方の所為で、自分の身が危険になったり、痛い目に遭うかもしれない。
それは何としても免れたい。
だから、私は現実逃避をせず脅威に対して真っ向から戦おうと思う。
ゆえに、『打倒うちはマダラ』を掲げた。
ラスボスであろう奴と対峙するため、忍術や仙術、医療忍術、波紋、スタンドであるキラークイーンの応用等を編み出し修行をしていった。
ちなみに、綱手様が使ってた白毫の術も使えるぞ!これで何度、瀕死の攻撃を浴びても死なないぞ!(白目)
同じWJの脱色の技である鬼道とかも開発した。あの技達は意外と応用が利く。六杖光牢とか瞬歩な!
うん?鬼道やらそういった技を誰に試してるかって?ああ、それは勿論の事、私の事を暗殺しようとして来たやつに対して使っているね。
だから、嫌でも強くなってしまったというか・・・ね?
何故だか知らんが、この世界では私は常に命の危険に晒されている。おそらく、スタンドや私の一族について原因があるのだろう。
正直に言うと、私の両親の顔は写真でしか見たことが無い。私が生まれた年に、何者かによって殺害されたようだ。その年は丁度…九尾の妖狐が里に襲来した日だ。
それ以降の木の葉の里について少し調べたが、以前よりまして影が差しているというか…うちは一族≠ニ木の葉≠フ関係が一段と悪化している。
その理由は紛れもなく、九尾が原因だろう。そう、うちはマダラだ…奴の差し金で何かが起こったに違いない!
その後、うちは一族はある男…サスケの兄であるうちはイタチによって滅ぼされている。
何か裏があるのだろう。
まぁ、そんな事よりも私は現実に戻らなければ…。



*


ショックのあまり机に突っ伏して何時間か上忍を待っていると、ナルトが何か悪さをしていたようだが、私は知らない!なぜなら、耳栓をしていたからだ!
だから、カカシ先生に肩を叩かれるまで寝ていた。それから、アカデミーの屋上に移動して自己紹介が始まった。
カカシ先生の個人情報は良くわからない!まぁ、興味もないが、上忍だしかなり強いだろう。
「オレさ!オレさ!名前はうずまきナルト!好きなものはカップラーメン。もっと好きなものはイルカ先生におごってもらった一楽のラーメン!嫌いなものはお湯を入れてからの三分間 将来の夢はァ、火影を超す!ンでもって里の奴ら全員にオレの存在を認めさせてやるんだ!」
ふむふむ、真っ直ぐな処は良いが、もう少し落ち着いてほしいな。
後、コイツの身体はラーメンで出来ているんじゃないのか?!なんてバランスの悪い食生活だ。野菜を食べろよ…血液がドロドロになって、脳梗塞やらそういった物で火影になる前に若くして死ぬかもしれんな!ハハッ★
まあ、そんなことを本人に伝えるつもりは毛頭ない。ナルトの自己紹介が終わると「次!」とカカシ先生はサスケを見た。
「名はうちはサスケ。嫌いなものならたくさんあるが、好きなものは別にない。それから、夢なんて言葉で終わらす気はないが、野望はある!一族の復興とある男を必ず…殺すことだ。」
奴の好きな物は…確か、トマトとおかかのおむすびだった気がするな。いくらクールぶっても、根本的な処はナルトと似ている気がする。後、一族の復興は難しいだろうな。
ついでに、サクラよ…さっきのサスケの自己紹介の何が良かったんだ。
「次、女の子。」
「私は春野サクラ。好きなものはぁ…ってゆーかあ好きな人は…えーとぉ…将来の夢も言っちゃおうかなぁ… キャー!嫌いなものはナルトです!」
何なんだ…カカシ先生とは違う種類で個人情報が分からなかった…忍を止めてサスケの処に嫁入りでもしてろ!年頃の女の子と言うのは…恋に励めるのが羨ましいよ…全く…。
「次、一番端っこの子。」
「名前は吉良吉影。好きな物は色々とあるし…嫌いな物も色々とあるが、一番嫌いなのは騒がしい餓鬼とクールぶった餓鬼だ。この両者はどちらとも性質が悪い。詳しく語りたいが、長引くので語らない。将来の夢は、植物の様に穏やかに生活をしたい。」
何だかナルトとサスケに異様に睨まれてる気がする。後、カカシ先生は納得の表情で私の顔を見ていた。サクラは何が何だか理解して居ない。
その後は、サバイバル演習についての説明があり、カカシ先生が怪しい笑みを浮かべながらナルト達を脅していた。
現代の日本だったら警察か何かを呼ばれそうだな。
サバイバル演習に関してはカカシ先生曰く、卒業生28名中下忍と認められる者はわずか9名、もしくは10名。残りは再び学校へ戻される。この演習は脱落率66%以上の超難関試験だ。とか言っていた。
後、試験が厳しいから朝飯を抜いて来いだと?抜くはずが無いな。ふむ、いつも通りに朝飯を食べてくるか…。
サバイバル演習の説明が終わり、やっと解放された私は自然と茶屋に足が伸びていた。
嗚呼…明日からあの班で行動するとなると頭が痛い…各々の個性が強過ぎて集団行動なんて出来るのか?
そんなこんなを悶々と悩んでいると、後ろから誰かに呼ばれ、振り向くとシカマルとイノ、チョウジがいた。その後ろには担当上忍である猿飛アスマもだ。
「吉影じゃねぇか。」
「あぁ、シカマル達か…さっき振りだな。」
「あぁ〜!吉影じゃない!サスケ君と同じ班で羨ましいわ!」
何が羨ましいわ!だっ!あんなクールぶったガキンチョ達と同じ班になった所為で、これから胃が痛くなると言うのに…!
「ほぉー?変わってくれるのか?変わってくれるのなら喜んで譲るぞ!」
ついそう叫ぶと、シカマルと後ろにいたアスマ先生は苦笑いしていた。
あぁ…胃が痛くなる前に団子を食べるか…後、ついでにカカシ先生の事について調べるか。
敵ではないが、相手の情報を知っている方が有利になる…アスマ先生が丁度いるし聞くか。


*


「吉影ー!遅いてっばよ!!」

「すまない。夜更かしをしてしまってな。まだ、先生も来ていないし大丈夫だろう?」
昨夜、色々と吹っ切れたというか、何と言うか…アスマ先生にカカシ先生について幾つか教えてもらった中の一つで、イチャイチャパラダイスについて教えてもらったのだ。
それが中々、面白い。R-18的な内容だが男女の駆け引きがなんというか…全部一気に読んでしまった所為で夜更ししてしまい遅れたのだ。
まぁ、これで奴の弱点を握ったことになるのだがな…。
ナルト達の文句を聞き流した後、ぐぅうう〜〜〜と私以外の腹の虫が勢い良く鳴った。
「…お前たち、朝食は食べてこなかったのか。」
「当たり前でしょ!吉影!あんたまさか朝ごはん食べてきたの?」
「あぁ、食べてきたが…それがどうかしたのか?確かにカカシ先生は『食べて来るな』とは言ったが、絶対だとは言っていなかったしな。」
悪びれる事なく言うと、皆が呆れた表情で此方を見てくる。その瞬間だろうか。
「やぁ諸君、おはよう!」
堂々と登場したカカシ先生だが、何だか果てしなくウザい気がするが気のせいだろうか?



*


「よし、12時セットOK!」
目覚まし時計をセットし、切り株の上に置いた。
私以外の3人の頭の上にはクエスチョンマークが浮かんでいる。カカシ先生は試験について淡々と説明した。
「ここに鈴が3つある。俺から昼までに奪い取ることが課題だ。もし昼までに奪えなかった奴は昼飯抜き!あの丸太に縛り付け、目の前でオレが弁当を食う」
朝飯を食べて来るな、とはこの事か…3人が青い顔をしてカカシ先生を見ている…フフ、食べてきて正解の様だな!
「鈴は1人1つでいい。3つしか無いから、必然的に最低1人は丸太行きになる…。で、鈴を取れない奴は、任務失敗で失格!!つまり、最低1人はアカデミーへ戻される…。クナイを使ってもいいぞ。オレを殺す気で来ないと取れないからな」
ふむ、なら殺してやろうか…なんて物騒な事を一瞬考えたが、この試験は恐らくチームワークを試すためだろう…。
アカデミーを卒業しただけであって、下忍にもなれてない餓鬼風情が上忍に敵う筈がない。嫌でも協力しなければ鈴は取れないだろうし…しかし、鈴は三つしかない。
仲間割れを狙ってるのか…。だが、この三人が果たして協力してくれるのだろうか?まぁ、最初は断られるだろうが、痛い目にあえて遭わせてから、説得しに行くか。
「でも…!危ないわよ先生!」
「そーだってばよ!黒板消しも避けれねーほど、どんくせーのにいい!本当に殺しちまうってばよ!」
おい、相手は上忍だぞ!これだから世間知らずな餓鬼は…。
「世間じゃあ、実力のない奴に限って吠えたがる。ま、ドベはほっといて、よーいスタートの合図で」
「おい、ナルト止めた方が…。」
『ドベ』という言葉に反応したナルトは、突如、カカシに対してクナイを構えたが、すぐに止められてしまった。
流石、上忍。動きが中々早いが、私の方が早いな。その動きを見たサスケは息をのむ。



「そう慌てんなよ。まだスタートは言ってないだろ?でも…ま、オレを殺すつもりで来る気になったようだな。クク、やっとお前らを好きになれそうだ」


*


「じゃ、始めるぞ!よーい…スタート!!」


その合図を同時に私を含めた3人は森の中に隠れた。ナルトの奴は単独でカカシ先生に戦いを挑んでいる。
やはり、馬鹿だ。
一応、影分身を使って協力しようと誘ったがやはり駄目だった…まぁ、良い。
さっそく避雷針の術を使用するためのクナイを設置しに行くか。設置し終えた頃には全員、カカシ先生の手によって伸びているだろう。
一応、三人にはマーキングさせてもらったから、すぐに迎えに行く事は可能だ。
そうこう考えていると、さっそく悲鳴が上がっている…おそらく、ナルトだろう。
これから、子供にも分かりやすく説明しなきゃいけないとなると…ハァ…深いため息が口から自然と出ていた。



*



「残ってるのは、君だけだよ。」
粗方、準備は整ったので、様子を見に行こうとすると、カカシ先生と遭遇してしまった。
ふむ…此処で、戦闘をして鈴を取ってしまっても良いのだが、彼等を迎えに行ってやるか…。
「はぁ…そうですね。しかし、私も色々と忙しい身でして…それでは…!」
「うん!?ちょっと、き…。」
そう言った後、避雷針の術を使って、手始めにナルトの所に移動した。
サクラやサスケの所にも影分身達が行っているから直ぐに集合出来るだろう。
「あ!吉影!どうやって此処に来たってばよ!?」
「そんな事を話してる時間はない。問答無用で着いて来てもらうぞ!」
「はぁ!?」
ナルトをぶら下げてたロープを切って避雷針の術で直ぐ様移動すると、其処にはサスケやサクラが驚いた表情で座って居た。
「よし、これで全員揃ったな。カカシ先生と戦って、少しは…自分達の実力を理解出来たかな?」
その言葉を聞いた瞬間、ナルトは反論しようと口を大きく開け、サスケがギロりと此方を睨み付けて来た。サクラはポカンとしている。
「実力って…どういう事だってばよ!」
「実力も何も言葉通りだ。所詮、アカデミーを卒業したばかりの私達が多くの死地や難しい任務を乗り超えて来たであろう上忍であるはたけカカシに、今の実力では勝てないと言う事をな!そもそも、この試験の目的を理解していない。」
私の言葉を聞いた三人はムッとしている。すると、あのサスケが口を開いた。
「目的…だと?どういう事だ。」
「この試験での目的は…チームワークを試す為の物だ。その事を理解せず、君たちは単独行動した。」
それを聞いたサクラが不満げに声を上げる。
「チームワークって…4人で必死に鈴取ったとして1人我慢しなきゃなんないなんて・・・・チームワークどころか仲間割れよ!」
「そうだな。確かに、鈴は三つしか無いから、誰かが必然的に丸太行きだろう。しかし、コレはチームワークを乱す為の罠だ。冷静になって考えれば分かっただろう?何のためにフォーマンセルだ。お互いの不足している部分を補うためのチームだぞ?何が恋の試練やら足手まといだか自分だけで出来なきゃ火影にはなれないだ。全然、出来てないじゃあないか。これが実際の任務だったらどうするつもりだ?これが危険な任務だったら、夢を叶える前に全員死んでたかもな。」
そう一気に遠慮なく言い放つ、3人は図星を突かれてしまい黙り込み俯いている。やっと事の重大さを理解したかな。
「それとこの試験には自分の利害に関係なくチームワークを優先できるかどうかも含まれている。実戦では、仲間を逃がすために誰かが囮役になる可能性だってある訳だからな…だから…私がお前たちを誘ったとき、鈴は要らないから協力してほしいと言ったんだ。」
なんだか、私が先生みたいになって来たゾ!前世では子供はいなかったが、親父狩りの学生に対して説教はしたがな。
それにしても、何だかお通夜ムードだ。まぁ、私がこうしてしまったんだが…。
「私の言いたい事はこれで終わりだ…。まだ時間はあるし、4人でカカシ先生に挑めば鈴は取れるだろ。作戦もあるしな。」
そう言うと、3人が驚いた表情をして顔をあげた。
「作戦って…なんだってばよ!」
「面白い作戦だよ…囮役は勿論、私がやるが…今から言う事をちゃんと覚えておくんだよ…。」
そうニヤリと笑って見せた。フフ…カカシ先生に一泡吹かせてやろう。



*



はたけカカシは非常に困惑していた。
吉良吉影…彼は自分の恩師である波風ミナトが得意とした術…避雷針の術で目の前から一瞬で消えたのだ。
時空間忍術なんて高等な術を下忍にも成れてない彼がどうやって…。流石は城星一族という処か…。
彼が目の前から消えた瞬間、他のナルトやサスケ、サクラの気配も消えた。
どうやら、3人を回収して何処かに隠れたらしい。彼だけはこの試験の答えを知っているようだ…。
昼まで後、40分…彼らが現れたのはそんな時だった。目の前に現れたのは、吉影とサスケの二人。
「おや?今度は二人で挑んで来るんだ?他の二人はどうしたの?」
「カカシ先生…そんな事よりも、先生はイチャイチャパラダイスを読んでますよね?」
イチャイチャパラダイス?どうしてこんな時にそんな単語が出て来るんだ?
「え、そうだけど…それがどうかしたの?」
「上中下…全部読みましたか?」
「まだ読んで無いけど…。」
それを聞いた吉影とサスケはニヤッと笑った。
何だか嫌な予感がする。
「そうですか…それじゃあ、あの二人がどうなるかって事も知らない訳ですねッ!」
そう吉影は叫ぶと、サスケと一緒に此方に勢い良く走って来た。
あの二人…?えっ、ちょっと、待って、あの二人?何の事?
距離が縮まったその直後、その疑問の答えはすぐに分かった。
「イチャイチャパラダイス最終章!!!ナメとライは仲違いしたが…」
ウワァァァ!!まだ読んで無いんだから、ネタバレしないでヨ!
まだ未成年なのに…!あっ、動揺し過ぎて、吉影にばかり注意がいってしまった所為で、サスケを忘れてた!
サスケの奴は上手く回り込み、鈴を取ろうとして来た。吉影はそれをアシストしている…!間一髪、逃れたのの、まずい!非常にまずいぞ!
「ちょっと!君たち未成年でしょ!どうして、イチャイチャパラダイスの内容を…!」
後、もう少しの所で鈴を取られそうになった!てか、吉影ぇ!本当にそれ以上やめてぇ!
「カカシ先生!コッチ見るってばよ!」
ナルトの声が聞こえ、後ろを振り向くと、何故かイチャイチャパラダイスの登場人物達がいる。えっ、何これ?何なのコレ?
登場人物達は身振り手振りで作中の…ギャアァァ!!
何なのこの四方八方からネタバレの嵐…!
我慢ならずつい耳を塞いでしまった。あ、耳を塞いでも口の動きで分かったてしまう!!
咄嗟に目を閉じた瞬間、チリリーンと間抜けな鈴の音が聞こえた。
ゆっくりと目を開けると、鈴を持ってニコニコ笑ってるナルト達の姿が…。

はぁ…完敗だよ…全く…。



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