「ねぇ…ボ『ダメだ。』



「まだ、何『どうせくだらん事でも企んでいるのだろォ!!!私には分かるぞ!?お前の考えている事ことが手に取るように分かるのだからなっ!!』
この野郎…まったく、これだから勘の良い奴は嫌いだよ…。
勘が鋭いなら、ジョジョキャラ全員に言える事だけどさ…。
けど、このヘタレボスの場合、自分の事となると、勘の鋭さが普段より何十倍も増すんだよね。
流石は、ボス!自分の正体を捜してる奴を発見すると、発狂しながら倒して、念入りに拷問し、見せしめにするようなゲス…!
だが、貴様なんぞ、ゲスに負ける私では無い…
「……へぇ〜そうなんですか…じゃあ、私の考えている事…一言一句漏らさず言ってみて下さい。言えたら引き下がってあげますよ…。」
『クッ…!それは……、っだがな!!お前が何か企んでいるのかは分かるぞ!!!一体、何をするつもりだっ!』
…分かってないじゃん……まぁ、何かを企んでるってのは合ってるけどさ…。
嘘つきは良く無いぜ…ボス…。
まぁ、聞く気になったって事で良いんだけど…。
「やっと、聞く気になったんですねぇ…その事についてなんですが………ボス…私と賭けをしません?」
『か…賭けだと…?い、一体、何の賭けだ。は…早く言え。』
ボスがビクビクした声で尋ねて来たので、思わず噴き出しそうになった。
そんなにビビんなくても良いだろ…。


「…賭けの内容は至って簡単。暗殺チームについてです…彼らが裏切るか否か…私と賭けましょうか。ボス。」



そう言った後、ディアボロの悲鳴が頭の中に木霊したのは言うまでも無い。
奴と生きてきた中で、一番酷かった気がする。


*


信頼≠アの言葉は俺達の属する組織≠ナは非常に重要な言葉だ。



だが暗殺≠ニいう仕事は非常にキタナイ仕事で信頼¥o来るモンじゃあない。
俺達暗殺チーム≠ヘ必要な時は利用されるだけされるが、決して誰からも信頼≠ウれたりはしない。
俺達の立場上、すでに分かりきっていた事だ。基本的に俺達は問題児の集まりだからな。
しかし、ボスに信頼≠ウれ無いという事はかなり致命的だ。
ボスから信頼≠ウれないということは、組織からも信頼≠ウれていないという事になる。
信頼≠ウれない所為で、正確な情報が渡されず、コッチは常に死と隣り合わせだ。
俺は兎も角…そろそろチームの仲間の誰かがボスの予想£ハり裏切るだろう。そうリゾットは薄々感じていた。
そんなある時、一年に一度、会うか会わないか程度の人間…いや、俺達の上司である幹部のペリーコロに呼び出しをくらった。
彼に呼び出されたということは、俺達のチームの誰かがまた問題≠ナも起こしたんだろう…。
そう思いながら俺≠ヘため息を吐くと、アチラが指定したカフェ・バールに向かった。
そこは、何処にでも有る様なカフェ・バールだった。
扉の前には『open』とプレートが吊り下げられているものの、この店のマスターであろう老人がカウンターにいる以外、客はおろか店員すら居なかった。
おそらく組織の人間が手を回したんだろう。俺は普段の癖で、気配を消して店内に入った。
しかし、店のマスターは俺の存在に気づき、一瞥するとカウンターテーブルの上に、カフェを一杯置いた。
それは、ペリーコロが来店するのと同時だった。
「すまないね、遅れてしまって…待ったかい?」
「…いえ、私もさっき来た処です。」
簡単な挨拶を済ませると、彼はそそくさと俺の隣に座り、こう切り出した。
「単刀直入に言おう。ボスが君達を信頼≠オてある任務を託そうだ…その内容はこの封筒の中にある。」
それを聞いた途端、飲んでいたカフェを吹き出しそうになった。
ぺリーコロは顔色一つ変えず話を続け、一つの茶封筒をバックの中から取り出す。
それを俺に渡すと同時に小声で「この任務は…本当は参謀がする筈の物だったそうだ…心して受けるように…」と呟いた。
「では、リゾット…君に託したぞ…。」
そう言うと、彼は出されたカフェに一口もつけずに、嵐の様に去って行った。



俺は、ただ茫然と、その後ろ姿を見送ることしか出来なかった。



*


ペリーコロさんから連絡があった。


無事、彼に任務の書類を渡せたそうだ。
私はホッと胸を撫で下した。
彼に対して、ボスが何らかの邪魔を加えるかもしれないと、不安でしょうがなかったのだ…まぁ、する筈ないけど…。
本当にそんなことしたら、暫くの間は口を利いてやんないし、ボスの恥ずかしい情報をイタリア中にばら撒いてやったね。
いや、パッショーネを乗っ取るのもいいかも…。
とまぁ、それは置いといて…あの封筒の中身は重要な任務なのだよ…ボス≠ノとっても私≠ノとってもな…。
任務の内容は、勿論…暗殺。
暗殺対象は、敵対組織に雇われた一人の哀れな探偵なんだが…そいつは、ヘタレボスの正体の核心まで近づいてるんだよね!
ボスの正体を探る奴の殆どは、色々と翻弄されている内に抹殺されてたけど、彼は違ったのさ!!!
流石、探偵なんだぜ!!!ボスから送られる刺客たちを次々となぎ倒し、ボスの正体を探る様…私は彼に対して敬意を表する!
ボスもビクビクしつつ、彼に対しては感心してたよ。中々、骨のある奴だってね。
最終的にボス直々に始末されるであろう彼だったけど、それを無理やり私が暗殺チームに回した。
その理由は彼が探っていたボスについての情報を見たりせず確実に処分できるか≠ヌうかを試すために回したんだよね。
裏切る気がないなら見ずに処分なんて簡単だろうからね。
もし、甘い誘惑に負けて暗殺チームの誰かがその情報を見たり盗んだ場合、その場で私が彼らを殺す事になっている。
何とか意図に気付いてくれたら良いんだけどね…自分たちが試されてるってことにさ…
意図に気付けば何とかなる筈…
まだまだ、序盤なんだけどな…もう、祈るしかないって訳だ。
もし、これで彼らが裏切った¥鼾、どうあがいても運命は変えられない。フラグは何をやっても折れない。


そういう運命≠セって事で受け入れるよ…。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -