あれから数年あまり…私は成長した。


現在、私の肉体年齢はやっと18歳。精神年齢はオバチャンだけどな!
6歳の頃、扉間と敵として対峙して以来、一族の大人たちや大国の都合に振り回され、多くの忍や人を殺し、忍術や体術を高め嫌でも強くなっていった。
マダラ兄さんもまたそうで、私達兄妹の名前を知らない人間はいなくなっていた。
ちなみに、私は脱色に出てくる夜一さんを目標にして体術や瞬歩等を極めていき、白打とかを独自に編み出して戦っていたら、マダラ兄さんや柱間さん以上に体術や速さだけが突出して強くなり瞬神のイズナ≠ニか言う異名で呼ばれ始めたんだぜ!凄いだろ!
夜一さんと同じで嬉しいけど、おこがましいぜ!
まぁ、どうして瞬神って呼ばれ始めたかと言うと、どっかのかなり有名な忍一族を瞬殺してから言われ始めたんだよね。
ついでに、瞬閧も覚えたぞ!だから、両肩と背中が空いた服を着てる。どんな服かと言うと、暗部?の人が着てる奴の背中が空いたバージョン。
だから、鉄の国とか寒い地域に行くと、とても辛い。まぁ、流石に羽織を着てるけども…。
後、12年も経てば色々とある物で…先日なんて女子の成人式である裳着なんてやったりしたんだよ。
裳着をするなんて平安貴族か何か?って思ったけど、私や兄さんを含めタジマ父さんが実はうちは一族の中でも宗家と呼ばれる存在で…だから、マダラ兄さんの元服の時、盛大に祝ってたのか…と今更だが、納得していた。
私の場合は、十二単を着て自宅の屋敷から南賀ノ神社まで歩いて行ったんだよ?凄くない?恐らく重さ20kgぐらいの奴を着て、神社の階段を登ったりしてさ。
まぁ、良い体験だと思うけども…。
ちなみに、マダラ兄さんだけど、アレから性格がタジマ父さんぽい何かになってしまった…根本的な処は変わってないけどね…。
意思表示が下手くそで、口下手になってしまったってだけだが…小さい頃のマダラ兄さんは可愛かった…後、髪の毛が伸びてウニ頭からクリスマスツリーみたいな頭になってる。
にしても、私がドン引きするぐらい柱間さんに執着しててコワイ。
柱間さんの話題になると顔色が変わるからね?認めてない人が柱間さんの事を言うと『貴様如きが柱間の名を口にするな!』とか言って怒るからね?私にはそんな事を言って来ないけど…。
どんだけ、柱間さんの事が好きなんだよ…って常々思う…。
ちなみに、タジマ父さんはまだ生きてるよ。まぁ、白髪とか増えて本当に老けたなぁーって思うけど、まだまだ現役の頭領です。
そろそろ、死ぬかもしれないから、その前にマダラ兄さんや私に一族の運営とかについて教え語り始めた。
マダラ兄さんが頭領になるのは間違いなく、マダラ兄さんが死んだり何かあった場合には、私が代わりに頭領になるらしい。
頭領とか嫌だわ…人の上に立てる程、人間出来てないし、マダラ兄さんを支えてやる方が幾分かマシだな。
マダラ兄さんは体術はともかく、忍術に関しては柱間さん並みにつよい。
敵じゃなくて良かった…唯でさえ、柱間さんが厄介なのに…柱間さんの場合は、完全に人間を止めた人として見てる。
チャクラの量は尾獣並みに多いわ、瞬間的に回復するわで戦ってて、本当に怖い。
ついでに、キノコ頭から忍界が嫉妬するサラサラヘアーになった。けど、性格は昔と変わらないので、敵なのに戦いながらフレンドリーに話し掛けて来る。
それと、彼の弟である愛すべき扉間君は、昔より目付きは鋭くなって、イケメンになった。絶対に女性にモテそうだけど、何か興味が無い感じなんだよね。
全く女性の匂いを感じ無いというか…別の何かに熱中してる感じがする…。
マダラ兄さんみたいに、まさか柱間さんに熱中…いや、扉間はマダラ兄さんと同じ種類だけど、比較的に普通な方だから大丈夫。理性がちゃんとあるだろうし…うん。
それと、戦闘に関しては本当に強くなった…気を抜いたら殺されるぐらいにな…大した奴だ…。
そんなこんなで今までの出来事や変化をダイジェストで振り返ってみたが…うん。
何回、戦っても戦争が終わらないと言うか、泥沼化してて疲れて来た。
同じ一族の人間も、今の状態に全く疑問を持ってないし、戦うのが普通という状態だ。
敵を亡き者にするまで戦う…そんな事、不可能に決まってるじゃないか。
大国に利用され戦うのはもうウンザリだが、戦わなければうちは一族は滅ぶだろうし、収入も入って来ない…今まで培って来た先代の誇りやら遺志が無駄になる…けど、先代達は何を思って戦って来たんだろう?
一族を守る事は重要だが、戦争を終わらせようとは考えなかったのだろうか?子供を真っ先に犠牲にして何とも思わなかったのか?雇われる身だから文句なんて言えなかったのか?何もかも力で潰せば良いと思っているのか?一族のため、と言って全てを犠牲にして来たのか?本当にそれで良いのだろうか?今の私には先代達の遺志とやらは理解出来ない。


それに誰かの手のひらの上で踊らされているような気がした。




*



「父さんは何のために戦ってんの?」




夜明け前の一番暗い時間帯、夜空には星一つなく大地を照らすのは煌々と輝く青白い満月だけだった。
ふと、千手との戦の前にタジマ父さんにそんな事を尋ねたことがある。
「イズナ…戦場では頭領≠ニ呼べと何時も言ってるだろう。」
「良いじゃん。部下の人たち居ないんだし…それよりも、質問に答えてよ!」
それを聞いたタジマ父さんはフゥ…とため息を吐き、一寸先、何も見えない真っ暗な闇を見つめて呟いた。
「……一族のため…ですかね…。しかし…」
「……?」
「それは建前であって、本来は家族を守るためでした。けれど、私は何も守れやしなかった…妻も息子達も…守ってはやれなかった。」
「………。」
タジマ父さんの悲しい顔は始めてみたぞ…。
何時もは仏教面で、気分が良くなったり、怒り出すとタジキチスマイルになるのに…。
てか、戦前にこんな話題がそもそもアカンかったわ!
「父さん…父さんは十分、私達の事を守ってるよ。」
「…イズナ。」
「だって、小さい頃、私の事を良く思わない人から守ってくれたじゃん。それに、戦場でだって私の事を庇いながら戦ってくれたし…本当に感謝してるよ。」
そう言うと、タジマ父さんは目を見開いて此方をみて来た。
タジマ父さんやマダラ兄さんには本当に感謝してる。私が小さい頃から、術の開発をしたり、普通の大人よりも強かったりしていたため、一部の人間から嫉妬されたりと大変だった。その中でも一番、厄介だったのは、一族の女性達だ。女の癖に戦場の最前線に出ていたりするため、反感を買っていた。
自分が戦えないからって嫉妬すんなよ…って思ってたのだが、タジマ父さんはそんな人達から私を守ってくれた。
そのお蔭で陰湿ないじめを回避できたのだ…まぁ、私をいじめようとした人間は、大体、マダラ兄さんの鉄槌を受けているがな!
「けど、私達も強くなったから…もう大丈夫だよ。それに大人だしさ!自分の身ぐらい自分で守れる!」
「フン、そんな事はとっくの昔に分かってますよ。私が心配なのは…貴女が何時、結婚するのか…ですよ。」
「グエ!」
タジマ父さんのその一言で、一気にしんみりした空気が破壊された!?さっきの感動を返せよ!オラァ!
確かに、この時代の18歳は結婚してるか許婚が居てもおかしく無いのだ。
だが、私の場合は許婚が戦争で早死にして取り止めになった。それからが地獄だった…タジマ父さんが大量のお見合い写真を持って来てこの中から選べやら、無理矢理、お見合いをキャスティングされたりと…まぁ、相手の事を考えて建前だけは参加するけど、それ以上に発展しないからタジマ父さんはもの凄く焦ってる。
さっさと、結婚しろて子供を作れと小うるさいのだ。まぁ、この件に関してはマダラ兄さんも同様だが…ちなみに、マダラ兄さんは遠の昔に形だけの結婚をしてる。けど、結婚式以来、お嫁さんにはあんまり会ってない。
マダラ兄さん曰く、相性が良く無いそうだ。一応、子作りしてるみたいだけど、相性が悪いから気が乗らないらしい…。
そもそも、マダラ兄さんはあんまりそういった物に興味を示さないし…その分、戦闘時に発散してんのかなぁ…マダラ兄さんと相性が合う女性なんて…居るのか…?
居たら全力でマダラ兄さんを任せるのにな…私も安心して永眠できると言うのに…。
てか、そもそもこんな話題を妹に振るのか…アレ?話が色々と逸れたゾ!
まぁ、とりあえず、タジマ父さんがさっきよりも元気になったのは確かだな!
「早く孫の顔が見たいんですよ。」
「えぇー、ちょっと早すぎない?まだ私はコドモだよ!」
「何が子供ですか…十分、子供を産める体でしょう。私が貴女と同じ年の時には…」
「あああー!分かった!分かった!善処するから!だから、その話は無しにしよう!そもそも私じゃなくて兄さんに期待しなよ!」
「マダラは………性格上、少し難しい。けど、貴女ならすぐに出来そうなんですけどねぇ…。」
タジキチスマイルでコッチを見なくて良いから!それよりも、マダラ兄さんが性格上難しいってどういう事だよ!そんなこんなでタジマ父さんと話しながら夜は更けていった。


しかし、この会話が父との最後の会話になるとは思いもしなかった。


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