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今現在、ジョースター一行と共に、何故かDIOをぶっ殺すためにエジプトに向かっているのだが…。


むさ苦しい男どもに囲まれても、何時もの事なので慣れているから問題ないが…どうしてこうなったんだろ…私にも良くわからない…。
まぁ、かくかくしかじか説明すると、何時もお世話になってる船にアルバイトとして雇ってもらい、パッショーネと敵対してる海外組織の幹部の暗殺巡りをしていたのだが、その船をたまたまSPW財団が雇った。
副船長から言わせると香港からシンガポールに向かう船を急遽、探してたらしく金をたんまり貰ったから、快く引き受けてしまったそうだ。
正直、ジョジョの原作はうるジョジョに毒されてるのでごちゃごちゃになってる。
だから、三部に係わってるなんて気が付かなかった…
SPW財団で気付よ…って思う人がいるかもしれないから念のために言っとくけど、この世界ではSPW財団は何処でも目にする身近な物なので、中々気が付きませんね。はい。
その時は、別にSPW財団ごときが私の個人情報を洗える訳が無いので大丈夫だろうと、おもってそのまま放置して、船に乗ろうとした瞬間、例の一行の姿を見て、もしや…と思ったが気のせいじゃなかった…。
そのまま、原作の流れになって…何故か偽船長が私の事を知っていて『DIO様の敵め!!』とかどうのこうの言い始めて、身バレしそうになってつい癖で、偽船長を腹パンしてからの海に放り投げてしまい…それからが修羅場だった。
ジョースター一行の質問攻めで、危うくボスがキレそうになったが、そんな時に偽船長が腹を抱えながら家出少女を人質にとったお蔭で事なきを終えた…。
偽船長を倒した後、DIOとの関係性を問い詰められ、仕方なく矢を売ったことや、裏社会でお互い邪魔者として敵対している事を言うと、ジョースター一行はハッとした顔になって、お前が矢を売ったからか!みたいな感じで険悪になってしまう。
だが、私も『あの矢がスタンドを出す物だとは思わなかった。』とか自分の責任を取るためにDIO討伐の旅に付いて行きたいと宣言した。
まぁ、これは建前で、ボスの正体をたどり着く可能性のあるDIOをぶっ殺そうとボスが提案したから付いて行くことになったのだ。
勿論、ジョースター一行も味方は多い方が良いと言う事で同行さて貰っているのだが、裏社会の人間であるから、最初はあまり信用されなかった。
けど、徐々に仲良くなり、その中でも花京院とはゲームの話で盛り上がり、DIOを殺したら一緒にゲームをしようと約束した。
大丈夫、死亡フラグじゃないよ?DIOが花京院を腹パンする前に、私がDIOを腹パンするからな!HAHAHAHA!



*



「ずっと、思っていたんだが…ドッピオ。君はどうして裏社会なんかに身を置いたんだい?」

花京院は17歳と言う中学生でありながら非常に大人びており、とても良い子だ。だが、何でも知りたがる点に関しては、子供らしいともいえる。
彼は秘密や心の裏がある人間は徹底的に嫌うようで、最初の頃は私に対して物凄く辛辣とした態度で接してきた…そのため、仲良くなるのが大変だった。ゲームという共通の趣味のお蔭で打破出来たが…。
ちなみに、承太郎やジョセフ、ポルナレフ、アヴドゥルは、私が裏社会の人間と言う事で色々と察してくれたらしく、あまり個人に関する質問はしてこなかったが…どうやら彼らも気になるらしく視線が私に集中した。
「うーん、簡単に言うと…そこ以外に居場所が無かった…からかな。」
「居場所が…無い…?」
「……君たちが何時も過ごしている日常に私達の居場所≠ヘ無い…いや、弾き飛ばされたからコッチの方に入ったと言った方が正しいか。まぁ、そもそも、裏社会に居る奴は大半がそういう奴らばっかりが占めてる…例えば…親に見捨てられた子供とか…親以上の繋がりを求めて自ら裏の方へと進む奴も居れば、今日を生きるために入る人間も居る…私は後者だけど…。」
「………。」
「…不幸自慢する気は無いが、私の事を愛してくれたり、守ってくれるような親とか大人は居なかったから、自分の身は自分で守るしか無かった…自分の身を守っていく内に、何時の間にか裏社会の方へと足を踏み入れちゃったって感じかな。」
そう語りつつ、過去の事をふと思い出していた。故郷であるサルディニア島…あそこはリゾート地として名高い事もあり、景色等は最高だった。それだけは言える。けど、他に良かったことなんて数える程もない。一つ確かな事があるとすれば、独りの女性に逢えたことか。
それ以外は、本当に碌でもない事ばかりだった。思い出すだけで吐気が込み上げてくる。
あの場所は私£Bにとっては忌まわしい場所でしかない。
にしても、ボスが何も言ってこないからまだ大丈夫だな…って、あのボスが無言になってる…いや、そもそも、承太郎達が何も言わずに押し黙るって…何だか物凄く気まずいんだが…。
「す…すまない。ドッピオ…無遠慮な事を聞いてしまって…。」
「いや、別に大丈夫だけど…そりゃあ、秘密は誰だって気になる…けど、人に知られたくない事とか隠したい事だって沢山あるだろ?けど、そういう秘密は深い仲になれば、自然と口から出てくるような物だよ。今みたいにね。」
そう優しく微笑むと花京院もぎこちなくだが同じように笑った。それからだろうか、何時も以上に彼らと会話が弾んだ。
この世界に生まれ変わってから、ほんの一瞬だが、心が温かくなった気がする。
談笑している最中、ボスが聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟く。
『こういうのも…たまには悪くない…かもしれんな。』
「そうですね。悪くありませんね。こう言うのも。」
最初は嫌々付いて行った旅が徐々に楽しくなったいるボスを見て微笑ましく思う。
彼らに付いて行ってボスは少しずつだが変わり始めている。



それにしても、早くDIOを倒して花京院とゲームがしたい。いや、いずれにせよ、DIOの館で出来るから良いか。


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