バウヒニアの花言葉 | ナノ


「ねぇ香くん…私ね、実はずっと昔から香くんのこと好きだったんだよ。」

もうこんな関係じゃ満足できないよ、ひとりの女として私を見て欲しいの…。

そう言ってなまえは俺を押し倒し、その身体を跨ぎ耳元で『貴方が欲しい』と囁いた。


「…はい…?」

唐突なエロゲ展開に硬直する。
は?え?なに?いきなり何だ!
あまりに突然すぎて頭がついていかないんですけど的な!

何で俺今なまえに押し倒されてるんだ?
何でこんなことになってるんだ?
こういう時どうすればいいんだ?
そもそも俺となまえはどういう関係なんだっけ?

ぐるぐるぐるぐる、使い物にならない頭で考えを巡らせる間もなまえの行為はどんどん大胆になっていて。
ネクタイを解きブラウスのボタンを次々と外してゆき、あっという間に下着に包まれた成長途中の白い胸が露わになった。
あ、こいつ意外に乳あったんだ的な…。

じゃなくて!

さすがにこれはまずいだろ!
そう思い彼女を止めようにも何故だか身体が動かない。
それどころか指の一本も動かすことができない、完全に固まってしまっている。
自分の身体じゃないみたいだ。
え?何?もしかして:金縛り?
素敵な金縛り?

「香くん…好き…好きだよ…私の想い受け止めて…」

軽くパニックに陥る俺をよそになまえはがんがん迫ってくる。
ずいと唇を寄せられてその大きな瞳に捉えられれば抗う事は出来なくて。

こいつの瞳はなんか初対面の時から印象に残ってたんだよな。
別にこれといって特徴は無いんだけど、最初に一目見た時からなんかビビっとくるものがあった、自分でもよく分からないけれど。

動けない俺とぐいぐい距離を詰めていくなまえ、よく見ると可愛かったんだとか、いいにおいだなとか、柔らかそうだとか、誰かとこういうことするの初めてなんだろうかとか、抵抗の意思がだんだんと彼女への興味へ変わっていくのが自分でも分かる。
ああ、やばい。

「香くん、私とひとつになろう?」
「っ…!」

くらり。
甘い言葉と彼女の放つ色香にすっかり当てられてしまって。

「…どうなっても知らないからな…!」

理性の糸は脆くも焼き切れてしまい、俺はそのままなまえと身体を重ねた。

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