バウヒニアの花言葉 | ナノ


***


会長が前もって用意してくれていたタクシーで走ること約20分。

「ほら、着いたぞ。」
「ここって…」

アーサー会長の言葉と共に停車した先は、うちの街でも有数の高級ホテルだった。

「こんなところに何の用事ですか?…はっ、まさか会長私の身体が目的なんじゃ…!」

と、ハッとなって慌てて両腕で身体を隠す。
正直、普段の生活で訪れる機会が無いような場所に連れてこられて動揺してる感は否めない。

「ばっ!ちげーよ!んなわけねーだろ!あれだよ、あれ!」

顔を真っ赤にして否定する会長の指した先には館内で行われている催し物の案内看板。
そこにはテレビで見た事のある華道家の人の写真と色とりどりの花が描かれていた。

「あの展覧会を観に来たんだよ。ほら行くぞ。」
やましい気持ちなんて一切ないから安心しろばか、と付け加えながら会長は館内へと入って行った。



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