バウヒニアの花言葉 | ナノ


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そして迎えた日曜日。

指定の5分前に待ち合わせ場所へと向かうと既に到着していたらしいアーサー会長がこちらに気付きニコリと微笑んだ。
前々から思ってたけど会長って黙ってればイケメンだよなー。
燻んだ金の髪に白い肌に翡翠色の瞳、スラリと伸びた長い脚を持つその人はこの国ではかなり目を引く。
(ひょっとしたら眉毛のせいかもしれない。)

「よぉみょうじ、早かったな。」
「一応時間前に着いておくのが礼儀かと思って…」

と、さり気なく会長のファッションをチェックする。
何気に私服見るの初めてなんだよね。
今日の会長は白いシャツに茶色のベスト、ベージュのパンツといかにも紳士スタイルだ。
よく見るとネクタイはファッションに疎い私が見ても分かるくらい有名なブランドのもので…会長ってひょっとしてお坊っちゃま?

「…というか会長の方こそ早かったんですね。」
「まぁな。紳士たるものレディを待たせるわけにはいかないだろ?」

レディ…か。
その耳なれない単語が自分の事を指しているのかと思うとなんだか気恥ずかしい。
ナチュラルに紳士ぶりやがって。

「よし、早速だが行くか。」
「行くってどこに行くんですか?」
「着いてからのお楽しみだ。」



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