バウヒニアの花言葉 | ナノ



「失礼するぞ…って…!」
「ちょりーっす、アーサー。」
「ここにいたのか香…不純異性交遊は禁止だぞ!」
「異性?幼馴染みと飼い犬しかいないから大丈夫。とりまここ座れって。」

会長のご立派な眉毛の間にシワが寄るのも気にせずに香くんは転がったままベッドの隅を叩いた。
一体ここは誰の部屋で誰のベッドなんだ。
そして誰が飼い犬だ。

「アーサーさんも一緒に女子会シヨ!」
「ほらアーサー、レディからのお誘いを断るのは紳士道に反するんだろ的な?」

「紳士道」という単語に会長がピクリと反応する。

「ほらほら、香のお目付け役に紳士で責任者の会長がいた方がいいデショ?」
「ったく…しょーがねぇな。」

湾ちゃんの後押しが決定打となったのか、アーサー会長はやれやれと私達の部屋に入ってきた、満更でもなさそうな表情を見るに本当は仲間に入りたかったのかもしれない。
彼は私のベッドが既に定員オーバーなのを察してか、「俺はここで結構だ」と立ったまま壁にもたれかかった。
スラリと長く伸びた脚と細い腕を組んで壁に背中を預ける姿はとても画になる。
ほんと会長って黙ってればイケメンなのにもったいないよね。

「じゃア、アーサーさんも来たことだし仕切り直しで恋バナでもすル?!」
「おっ、いいじゃん!合宿っぽい!そういうの積極的にwelcome的な!」
「「はあ?!!」」

と、いきなりすぎる展開に若干2名(言うまでもなく私と会長である)から不満の声が上がる。
恋バナとか言われても非リアの私には話すことなんて無いし勘弁して欲しい。

「じゃあ年長者のアーサー会長からどうゾ!」
「無茶振りにも程があんだろ!!そもそも話す事何もないぞ!」
「いやいやいや、高2にもなったら普通好きな人の一人や二人はいるくね?そういう話聞きたい、そんで茶化したい。」
「茶化すなよ。」
「ほら早くー!なまえも会長の恋バナ聞きたいよネ?」
「え?あ、うん。ききたいでーす。」
「っ、みょうじまで…!」

正直あんまり興味はなかったのだけどターゲットが自分以外に向くのなら丁度いい。
アーサー会長には犠牲になって頂くとしよう。


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